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2021/12/06

genre : 歴史, , 社会

垣間見える「観光都市ではない京都の一面」

 京都観光で京都駅にやってきた観光客は、特に理由がなければだいたい烏丸口側に降りて地下鉄やバス、タクシーでどこかに行ってしまう。帰るときも烏丸口から新幹線に乗る。もちろん駅の南側にも五重塔でおなじみ東寺(教王護国寺)などもあるので見どころは充分なのだが、やはり古くからの市街地である北側にはかなわない。

 

 そうした事情があるからなのか、八条口側は少し雰囲気が違う。ホテルなどがあるのは烏丸口側と同じでも、予備校があったりイオンモールがあったりワコールがあったり、観光都市・京都とはちょっと違った空気を漂わせている。イオンモールに向かって歩く学生たちの姿があり、さらに少し南に行けば住宅街もあって、観光都市ではない京都の一面を垣間見る。観光客でごった返す烏丸口の駅前広場もいいが、こういう雰囲気も案外ほっとするものである。

 

 ともあれ、京都にやってきた観光客は、京都駅を起点にあちこちに訪れる。京都最大の繁華街は四条河原町。四条河原町から鴨川を挟んで隣り合う祇園とともに、京都駅から行くなら地下鉄と阪急電車を乗り継ぐか、それともバスだ。金閣寺や清水寺もバスで、伏見稲荷はJR奈良線に乗って。お茶と10円玉でおなじみの宇治にも奈良線が便利だ。二条城は嵯峨野線に乗ればすぐだ。この嵯峨野線沿線、京都駅のひとつ隣の梅小路京都西駅の近くには京都水族館や京都鉄道博物館。

 ドデカい駅ビルに覆われて、新宿駅や大阪駅ほどではないにせよ充分ダンジョン感のある京都駅だが、やはり観光の拠点としてはケチのつけようがない。広い駅だしお客が多いから歩いているととにかく疲れるが、旅を楽しむ人たちの中を歩くのは案外気分の良いものである。観光都市のターミナルには、明るく前向きな感情が満ちている。

 

写真=鼠入昌史

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