「nora fitness」というYouTubeチャンネルで、筋トレ動画を投稿するnoraさん。4年前に筋トレを始め、その4ヶ月後には女子フィットネス競技の最高峰の大会・ビキニに出場するほどに。

 全体的にモリモリとした厚みと幅があり、とくにお尻の筋肉の発達が凄まじいnoraさんだが、もともとは産後ダイエットとして、軽い気持ちで始めただけだという。大会までの道のりや、筋トレ女子あるあるなど、詳しく話を聞いた。(全2回の2回目/前編を読む)

noraさん ©鈴木七絵/文藝春秋

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「タンパク質? 何の栄養素が欲しいんだ?」

——一般的なボディビルだと「キレてる」「ナイスバルク」という掛け声がある印象ですが、ビキニの掛け声はどのようなものなのでしょうか。

nora ビキニの場合は、「綺麗」、「かっこいい」、「○○番(ゼッケン番号を呼ぶ)」というのが多いですね。選手は、ジャッジに「あの選手人気なのかな?」って意識してもらいたいので、ゼッケン番号で呼ばれるのが一番嬉しいと思います! 

 でも最近は、掛け声も変化しつつあって、みんな工夫した言葉を掛けていることが多いです。「背中に鬼が宿ってる」とか「腹筋チョコレート」、「肉詰まりすぎです密です」など(笑)。筋肉の見どころをアピールする掛け声は、重要なポイントになります。

ラスベガスの大会のステージ写真

——大会でのポージングは、自分たちで考えるのでしょうか?

nora そうです。フロントポーズとバックポーズの二つのポージングが必要です。ポージング中は、みんな笑顔で余裕があるように見えるんですが、実はめちゃめちゃ辛いんですよ(笑)。ずっとマッスルコントロールをしていなければなりませんし、ウエストは細い状態をキープして、ひねっていなければなりません。昔、プロ選手が「ポージングがきつかったら、それが正解よ」と言っていたのを覚えています。

——ビキニでは毎回好成績を収めているnoraさんですが、最近はあまり出場していないのでしょうか?

nora そうですね。コロナで大会が中止になっちゃったり、あとは減量疲れみたいなのが出てきたので、少しお休みしています。楽しいんですけど、大会前はかなり辛いので……。減量もそうだし、自分の納得いくまで仕上げるには時間も足りなかったり。

 最近は、大会の知名度も上がってきて、すごい選手も増えてきたので、思うような結果が残せなくなっていました。「ああ、次どうしようかな」と、モチベーションが保てなくなってしまって。当分大会には出ずに、少し落ち着こうかなと思っています。

筋トレ夫婦あるある

——夫婦で筋トレをやられていますが、普段どういう会話をされるのでしょうか?

nora YouTubeにもアップしているんですけど、普通の会話じゃないですね(笑)。「お腹空いた」って言われたら、「タンパク質? 何の栄養素が欲しいんだ?」って聞いちゃったり。出かける時は、サプリケースにサプリを入れて、ジップロックにプロテインを入れて、2人で確認し合ったりしています。