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――偶然とは思えないですね。お二人は喧嘩はするのでしょうか。

加藤 新婚の時に1回か2回したことあるけど、それ以来全然ないです。年齢差があるので、お互い許せてしまうんですよ。ムカついたら自分の部屋に戻って、なんか違うことしたらすぐに忘れちゃう。

 年齢差もあるから、嫉妬とかもないんです。加トちゃんが飲み会とかに行って、心配なのは体調だし。私の友達もみんな加トちゃんと会ったことがあるので、お互いに嫉妬心みたいのは全くないですね。

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「やっとの思いでヘルパー2級をとりました」

――結婚されてから綾菜さんは、いくつもの資格を取っていますよね。タレント業をしながらの勉強は、相当大変だったのでは。

加藤 そうですね。一番最初は、介護職員初任者研修を取得しました。

 数年前、加トちゃんがパーキンソン症候群にかかってしまって、身体中が痙攣してご飯も食べられないような状態で、みるみる痩せていきました。その時に、ただ隣にいるだけで何もできない自分が、すごく悔しくて。これから加トちゃんを支えていくためには、私がもっとサポートできるようにならなければいけないと思いました。

 最初は、料理を一から学び直しました。好きなものを食べさせるんじゃなくて、ちゃんとバランスの取れたものを作れるように。結婚当初、世間の人から「加トちゃんのことを考えている食事じゃない」ってバッシングをされたんですけど、たしかにその通りだなと思ったんですよね。それで食生活を180度変えました。

 そのあと、介護の資格にも興味が湧いてきて、介護職員初任者研修を取得するために、学校に通いながら勉強しました。始めはちょっとなめていたんです。介護なんて誰でもできるし、勉強しなくても余裕じゃんって。でも勉強していくうちに、人間の体ってそんな単純じゃないということに気づいて。それでやっとの思いで、介護職員初任者研修を取りました。

©釜谷洋史/文藝春秋

「どうしようかと悩んでいた時に、志村さんが亡くなって」

――仕事しながら勉強していたんですよね。

加藤 タレント業はやっていました。少しでも時間があるときは、楽屋で勉強していましたね。

 介護職員初任者研修を取ったら、実務者研修も取りたいと思ったんですけど、実務者研修ってものすごく難しいし、時間がかかるんです。仕事しながらできるような勉強量ではなかったので、どうしようかと悩んでいた時に、志村けんさんが亡くなって。人っていつどうなるかわからないから、やれる時にやろうと思って、実務者研修にチャレンジすることを決めました。

 入浴介助の実務試験もあったので、実際に加トちゃんで練習させてもらっていたら、「なんか触り方が気持ち悪い」とか、「これはセクハラだ」とか言われて。あまり強く触っちゃいけないと思って、優しくしているつもりなんだけど、向こうにとっては、それが逆に気持ち悪いみたいで。こういうギャップって、実際にやってみないとわからないじゃないですか。介護って深いなと思いましたね。