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2021/12/19

由香里さん「選択的夫婦別姓が認められたら、1年くらいの猶予期間が設けられて、いま法律婚をしている夫婦もその期間内に手続きすれば、別姓を選べるようになるんじゃないかと耳にしたことがあります。そんなにたくさんいるとは思わないけれど、中には、やっぱり自分の姓に戻したいと考える女性も出てくるでしょう。男性は動揺するかもしれませんが(笑)、そのとき、夫婦で向き合って話ができるといいですよね」

 由香里さんのように違和感を抱きながらも、しかたなく改姓した女性も多いかもしれない。もし別姓が選べるようになったらどうするか。夫婦で考えておく必要がありそうだ。

結婚はまだ、考えていないけれど

 ドキュメンタリーをつくり、さまざまな人との議論を経たいま、真実さんは夫婦別姓についてどう考えているのだろうか。やはり結婚の際には、別姓を希望するのだろうか?

真実さん「それはまだわかりません(笑)。ただ……この社会には、結婚したからには相手と同じ姓がいいって思う人もいるし、仕事の関係で別姓じゃないと困る人もいる。母みたいに『自分の名前だから』って大切にしたい人もいる。だから選べるのがいちばんだなって思うんです」

 ドキュメンタリーの中には、真実さんの同級生が「彼氏の名字になりたい!」とはしゃぐ場面がある。夫婦別姓を希望する友人はいるのかと聞くと、真実さんは笑って首を振った。

真実さん「友だち同士で話すことは、あんまりないかな。まだ真剣に結婚を考える年齢でもないので。それに高校生って自分の興味あることしか見ないし、ネットは自分が好きそうなコンテンツを出してくれるので、こういう政治が絡むような話題ってなかなか目に入ってこないんですよね。だからこそ決勝に残って、たくさんの高校生に見て、知って、考えてほしかったんですけど」

 ふだんおっとりしている真実さんの「悔しさ」は、「伝えたい」気持ちの強さゆえだった。しかし、このドキュメンタリーはいま「陳情アクション」のYouTubeに掲載されている。それを見た大学の教授から、授業に使いたいと連絡が来たこともある。彼女の主張は、遠くまでしっかりと届きはじめているのだ。

真実さん「夫婦別姓に限らず、LGBTQの方や障がいを持っている方、海外の方……属性に関係なく、みんなが自分らしく生きられるのがいい社会だと思います。いま、多くの問題は『選べない』ことによって起こっていますが、夫婦別姓という選択肢がひとつ増えることで、たとえば同性婚やほかの問題も動く気がしているんです。みんなが自分らしく生活できるための一歩として、夫婦別姓、認められてほしいですね」

【前編を読む】《強制的夫婦同姓》「でもアナタ、本当にアオノさんですか?」結婚時、妻の姓を選択した男性が体験し続けた数々の“困難”とは

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