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「勝ちたいと思って勝てる世界じゃありません。いつも通り、できる限りの準備をします」

――12月26日に「SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦2021」の東代表として出場されます。東は羽生善治九段、永瀬拓矢王座、佐藤秀司八段、横山七段、戸辺誠七段。西は藤井聡太竜王、豊島将之九段、稲葉陽八段、澤田真吾七段、古賀悠聖四段です。

 横山七段は予選突破組です。予選を振り返ってください。

横山 木村一基九段に勝ってベスト4に入ったときはチャンスがありそうとは思いました。でも、改めてトーナメント表を見ると、5勝して代表になったことにびっくりしますね。あまり早指しは得意とは思っていませんし(※繰り返すが、2016年に銀河戦でベスト4入りしている)。

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日本将棋連盟モバイル【将棋連盟ライブ中継】より

――今回は団体戦ということで、チーム内の空気やオーダーもポイントのひとつです。

横山 羽生先生とは研究会の代打で1回指したぐらいで、あまりお話ししたことがなく緊張します。西側と違って、東には振り飛車党の戸辺さんがいるのが大きいでしょうね。誰と当たるかわからないから、西側も居飛車だけでなく振り飛車の対策を練らないといけないはずです。

――東の代表として戦うわけですから、かなり注目される舞台です。

横山 早指しの団体戦という意味では、ABEMAトーナメントと似ています。まず初手から30秒将棋はかなり特殊な条件ですから、それに慣れないといけません。普段の対局は自分のためにやっていることがほとんどですから、 負けても自分の責任ですみます。でも今回はファンの方々の注目を浴びますし、団体戦なので周りの方に迷惑をかけてしまうのがいつもと違います。自分でもどういう気持ちになるのか、当日までわかりません。

 

――抱負をお願いします。

横山 正直にいえば、代表になったときは戸惑いもありました。ファン投票という形式も含めて、人気や実力がある棋士が出るイメージでしたから。「横山?」って思う方もいるかもしれません。

 でも、もう出ることは決まりましたので、やるしかありません。勝ちたいという気持ちはものすごくあります。勝ちたいと思って勝てる世界じゃありません。いつも通り、できる限りの準備をします。

写真=石川啓次/文藝春秋

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