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 新型コロナウイルス感染症からの回復を目指す経済対策では、「中国が目立った刺激策をしない」との誤解も聞かれたが、コロナ禍の有無にかかわらず、未来を見据えた開発計画は目白押しなのだ。

 一方、中国は冬季五輪に絡む外交的成果も決して諦めてはいない。西側世界からの人権問題での攻勢が止むとは考えにくいが、外交の目玉は他にもある。

 例えば南北朝鮮のトップ会談だ。国際社会における中国本来の軸足を考えれば、むしろこちらが「主」である。

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 21年9月7日、習主席はイタリアのドラギ首相と電話会談を行った。習近平はイタリアに「中国・欧州関係が健全かつ穏やかに発展するため積極的な役割を」期待すると同時に「異なる制度、文化を持つ国が関係を発展させるための手本となってほしい」と求めた。つまり、中国はあくまでも西側とは「異なる」ことを前提に関係を発展させようとしているのだ。

「アメリカこそが中国を必要とした」と強調

 中国が対西側で自国の制度に自信を深めたとも見られる。きっかけはアフガニスタンからの米軍の撤退だ。バイデン大統領はテロとの戦いの成果を誇ったが、アメリカの国際社会における威信低下は明らかだ。20年前、反テロ戦に踏み出したアメリカが中国の協力を求めたような変化が再び起きているという認識だ。

 確かに8月中旬以降の米中の接触は慌ただしかった。8月17日には王毅外相がブリンケン国務長官と電話会談を行ったのだが、会談を報じた中国メディアは、慣例を破り米側の主張から先に紹介するイレギュラーの対応を見せた。その意図が、「アメリカこそが中国を必要とした」と強調することにあったことは明白だ。

 続くバイデン・習近平の電話会談では中国側は大統領から「『1つの中国』政策を変える意図はない」、「米中関係を正しい軌道へ押し戻したい」との言質を引き出した。これが本当の潮目なのか否かの判断はなお慎重を要するが、暗いトンネルの一筋の光明となったはずだ。

 つまり中国は当面、外的な要因で自らを大きく変えることはないということだ。