M-1の炎上騒動は「本当に何とも思ってない」
おしゃべりの世界に好き好んで入ったわけではありませんが、関西の片隅で仕事を続けてきて、やっぱり漫才が最高の芸だと思います。この世でいちばん難しい。マイク1本を2人で挟んで、お客さんを爆笑させる芸は他にありませんし、少しでも間を外すと「シーン」ですからね。
年末恒例の「M-1グランプリ」をみてもレベルの高さは一目瞭然でしょう。才能ある若手がひしめき合っており、芸人の入れ替わりが本当に激しい。
2007年、M-1の審査員になりました。あまり気が進まなかったのですが、大会委員長だった島田紳助さんに「どうしても」と頼まれました。審査員になったばかりの大会で優勝したのがサンドウィッチマンで、その後の活躍はご存じの通りです。やっぱりスター誕生の瞬間に立ち会えるのは嬉しい。いまやサンドの富澤(たけし)くんは審査員ですからね、感慨深いです。
審査員を3年続けて1度辞めましたが、今度はダウンタウンの松本人志さんに強く請われる形で、2016年に復帰しました。もうしばらく続けることになりそうです。
年々注目度が高くなっていき、3年前には暴言騒動に巻き込まれました。私の審査が気に入らなかった芸人が泥酔し、SNSで暴言を吐いたそうです。
よく聞かれますが、本当に何とも思ってないですし、さほど腹も立っていません。私に対してどうこうというより、「更年期障害か」などと女性蔑視の発言があったから炎上したのでしょう。せっかくチャンスを掴んだのに、もったいないなとは思いましたけどね。
好きな芸人はやはりサンドウィッチマン。人間的にも温かいし礼儀正しい。そして何より本芸の漫才が素晴らしいので応援しています。
芸人さんからDVDをよく頂くのですが、さすがに全部見られない。でもサンドウィッチマン、それからナイツのDVDは必ず見ますし、楽しませてもらっています。