オカルトコレクターの田中俊行氏は、数年前、友人から“不思議な相談”を受けたといいます。友人の祖母が打ち明けた、奇妙な“数日間の思い出”。田中氏は、その記憶を検証するべく現地に向かいました。その衝撃の実話とは――。

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「ちょっと田中君、相談があるねんけど」

 数年前の夏、10年来の付き合いがあるKちゃん(女性)から、そんな連絡があった。どんな相談事だろうと思いつつ、ひとまずKちゃんとは数日後、直接会って詳しい話を聞くことにした。

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 後日、18時頃に神戸の三宮で待ち合わせた私たちは、近くのファミレスに入った。するとKちゃんは「田中君なら信じてくれるかと思って……。それに何かわかるんじゃないかと……」と、少し周囲を気にしながら、遠慮がちに話し始めた。それは、たしかに不可解な話だった。

※写真はイメージ ©iStock.com

「もう命は長くないやろうし…」

 当時、Kちゃんはカメラマンアシスタントをしていて、神戸の須磨区で80歳過ぎの祖母と、1匹の猫とともに暮らしていた。おばあさんは数年前、ベッドから落ちて大腿骨を骨折してしまい、市内のN病院に入院していたが、今はもう退院し、元気に過ごしているという。

 ここ最近は、Kちゃんが仕事から帰ってご飯を食べ終えると、二人でよく晩酌をしていたそうだ。その日も、二人でお酒を飲みながら、テレビを見るでもなく点けていた。ちょうど「世界の果てまでイッテQ!」が放送されていて、女性タレントがとある部族と交流する様子が放送されていた。その部族は腰に布を巻いて、全員がほとんど裸だったという。

 それを見たおばあさんは、ふと何かを思い出したように、「もう命は長くないやろうし、他人に言っても信じてもらえないから、Kには言っとくわ」と、秘密を打ち明けるように語り始めた。それはKちゃんも初めて聞く話だった。

病室で起きた“ある事件”

 前述した様に、数年前、おばあさんは足の骨を折り、N病院に入院していた。その時の出来事だという。

 手術をしてから数日が経ち、病院のベッドで寝ていると、おばあさんは夜中に目が覚めた。目を開けるとあたりは真っ白で、病室中が眩い光に包まれていたという。目を細めながら確認すると、その光はボーリングの球ぐらいの球体になって、ゆっくりとおばあさんの方に迫ってきた。

 痛いくらいに強い光であったことと、そんなものが自分の身体に近づいてくることに恐怖を覚えたおばあさんは、耐えられなくなってベッドから降り、横にあった車椅子に乗って自力で部屋を出た。途中、焦って車椅子から転げ落ちてしまったが、なおも光は迫ってきた。必死に這い、壁をつたいながらなんとか逃げると、気づけば1階に降りていて、そこから病院の外に出ることができた。不思議なことにその間、病院内には人の気配がまったくなかったという。