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 10月に入ると、新規感染者が増えない代わりに減りもしない状況となり、コロナワクチンの接種完了率が80%に迫った11月1日、ウィズコロナを宣言。規制を緩和して、大量感染を導いた。

韓国5120人、日本81人

 韓国内の感染者が増える一方、日本のコロナ感染者が激減した理由について、韓国内ではさまざまな憶測がなされている。

 12月1日時点のコロナワクチン接種完了率は、韓国の79.5%に対して日本は77.5%と大きく違わないが、新規感染者は韓国の5120人に対し、日本は81人だった。

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 慶北大学医学部予防医学科のイ・ドクヒ教授は、「(日本は)自然感染を防がなかったから」と推察した。国が防疫の名目で無症状や軽症で終わる自然感染を止めなかったことから免疫が形成されたという主張である。

ウィズコロナ期間中、観光地であるソウル南山は多くの人で賑わっていた(筆者撮影)

 日本の感染者が激減した要因は、日本や韓国はもちろん、さまざまな国の研究者が分析を進めるなか、いまだ結論は出ていないが、少なくとも日本と韓国の大きな違いには「自己責任」がある。

 感染を防ぐためには、外出の際にマスクを着用し、手洗いを励行、また不要不急の外出を自制して密を避けることが肝要だ。韓国は政府がマスク未着用者に罰金を科していることもあり、97.3%が外出時にマスクを着用していたが、公共トイレを利用した後、4人に1人が手を洗っていなかった(韓国疾病管理庁「2020年地域社会の感染症予防行動実態調査」、21年10月14日発表)。

 疾病管理庁の発表によると、不特定多数の人が使うトイレを利用した市民2000人のうち、利用後に手を洗った人は前年(63.6%)を上回る75.4%と、調査が始まった2013年以降で最も高い数値となった。しかし、石鹸を使用した人は28.0%にとどまっていた。手を洗う習慣がない人にウイルスが付着したら、感染する可能性は高まる。

 政府の規制はむしろ「密」も生み出した。スポーツ施設の営業を制限したことから運動ができる公園などの利用者が増え、飲食店の営業時間を制限したことで利用者の帰宅時間が重なった。在宅勤務や時差出勤の拡大で、通退勤時間の混雑が緩和されるなか、飲食店の営業終了時間に合わせて、地下鉄やバスは身動きが取れないほど混雑している。

ソウル市内の地下鉄駅はコロナ前と同様に混雑している(筆者撮影)

ワクチン接種を完了しても……

 ワクチンについても見てみよう。韓国政府は21年5月からアストラゼネカ製ワクチン接種を開始し、6月からはファイザーとモデルナのワクチン接種を開始した。まずは、高齢者と接客業従事者から接種を始め、徐々に対象年齢を引き下げて接種対象を広げた。だが、ワクチン接種を促す一方、ワクチンの効果に関する情報は発信していない。