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「22歳までに結婚したいと言ってたんです」

 都会に住むメリットに魅かれないわけではない。

「対局の度に前日から大阪や東京に行かなければならない。自宅の方がぐっすり眠れるので、遠征はなるべく少なくしたいというのはあります。でも地元に住むのは安心感が大きい。一番落ち着く場所から対局場に向かえる。今はこの環境でも十分に勉強できるのなら、残っていてもいいかなと思います」

 同じ一門の兄弟子である澤田真吾七段は地元の三重県に住み、毎年好成績を残している。高田は先輩棋士の背中を見ているのかもしれない。

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 田舎で暮らしていくなら、地元の女性と結婚をして将棋に集中できる環境を整えるのもいいだろう。こうした質問に棋士は照れるのだが、高田は呆気らかんとして答えた。

「奨励会の時は22歳までに結婚したいと言ってたんです。(おっ、相手がいるのか?)いや、そういうわけじゃないんですけど(笑)。思っていたのは中2の頃で、その頃はもっと早く棋士になるつもりだったので。16歳くらいで棋士になって5年後くらいに結婚するのが目標でした。18歳でなったので、今だと24歳くらいですかね。もし将来大阪に住むなら、一緒にいてくれる人が欲しいという感じなんですけど(笑)」

 棋士になるのは藤井竜王より遅れたが、結婚では先んじるのはどうか。

「アッハッハ! でも、そうなるんじゃないかなあ。だって藤井先生は忙しいですからね」

写真=野澤亘伸

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 高田明浩四段ら藤井聡太竜王と同世代の棋士たちの姿を描いた群像ルポ「藤井時代か、藤井世代か」は、好評発売中の文春将棋ムック「読む将棋2022」に掲載されています。どうぞあわせてお読みください。

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