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――蛍原さん! 

おさる 「たぶん社長も悪い人じゃないから、自分たちから給料を上げて欲しいと言ってこないなっていうので、上がってないだけだよ」って言ってくれたんですね。蛍ちゃんの後押しもあって自分たちで「社長すいません」って言いに行ったらすぐ上げてくれました。 

「芸能界ってすごいんだな」って、下からずっと見てる感じ

――お金のことは言いづらかったですか。 

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おさる うーん……なんかこう、『ボキャブラ』っていうあの現象と、今お笑いできてることへの感謝と楽しみ、そこだけでいいじゃないか、みたいなのが半分ありました。だからずっと4畳半だったし、ずっと2階右だったんだけど。 

 

――2階右から抜け出せてなかった(笑)。 

おさる 最終的に2階右を引っ越したのも、あれなんですよ、建て直しするって言われて。立ち退き(笑)。 

――出世して出たわけではなかった(笑)。 

おさる いやぁ、あの頃はお金とか全然執着なかったですね。芸能界ってすごいんだなって思いながら、下からずっと見てる感じでした。いいな、いいなって。でも、ちょっと前まで外車乗ってた人が、次会った時、電車で来てたりした時は「あれ?」って思いましたけどね。 

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写真=松本輝一/文藝春秋

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