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中央大1区・吉居大和の“飛び出し”が時代を変えた――箱根駅伝2022「忘れられない名場面」往路編

2022/01/05
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【3区】遠藤大地とミズノの幸福なラストラン

西本 毎年僕らが制作している「あまりに細かすぎる箱根駅伝」でも書いたのですが、3区は帝京大の遠藤大地選手に尽きます。

ポール 今年はラストランでしたね。

帝京大・遠藤大地選手 ©末永裕樹/文藝春秋

西本 家庭の事情もあって大学に行けるかどうかも危うかった遠藤選手の足元をずっとサポートしていたのがミズノです。その恩に応えるため、周りがどんなにナイキのシューズで盛り上がろうとも、遠藤選手はトラックでもロードでもずっとミズノの薄底シューズしか履きませんでした。今度はそんな遠藤選手の思いに応えたいとミズノが立ち上がった。今回、中継所に現れた遠藤選手は、見たことのない分厚いソールのミズノを履いていました。

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ポール あれは市販されていないプロトタイプでしょうね。えげつない厚さでした。

西本 遠藤選手のラストランを有終の美で飾るために、メーカーが渾身のシューズで応えたわけです。やはり今年の3区は遠藤選手に尽きますね。

区間賞の丹所選手、まさかのユニフォーム忘れ事件

ポール ちなみに東京国際大の丹所健選手がユニフォームを忘れたことも話題になりましたね。

東京国際大・丹所健選手 ©JMPA

西本 直前で実家に忘れたことに気づき、夜中にマネージャーに取りに行ってもらって、なんとか間に合ったそうです。

ポール その丹所選手が区間賞。まだ3年生なので、来年が楽しみです。

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