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何本もそびえ立つ巨大な橋脚

 橋脚に橋桁を渡して、そこにレールを通す敷設方法も取られた。そのため、今福線の遺構には、山中にそびえ立つ橋脚も点在する。時間の経過とともに、自然と人工物が調和した光景は、まるでスタジオジブリの映画『天空の城ラピュタ』のようだ。

「有福第三トンネル」そばの橋脚脇には公道が通されている

「バイクでツーリングに来た人が道にバイクを停めてトンネル・橋脚と一緒に写真を撮ってSNSにアップしているのをよく見ます。鉄道は通りませんでしたが、いまも何らかの形で今福線という存在が活かされているのは嬉しいですね」と山本隆之さんは頬をゆるめる。

各地に点在する橋脚
建てられた場所によって橋脚の形が異なる

 また、今福線のために建設された橋脚はその形に大きな特色があるという。

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「川の中に80年以上も建っていながら当時のままの形が残っているんですね。かつての建築技術がすごかったんだと思います。そして、よく見ると橋脚の形が違うんですよ。川の中にある橋脚は水の流れを流すために円型になっていて、陸にあるものは四角形なんです。2021年の夏に道路の高さまで川の水が増水したんですが、そのダメージもほとんどありません。未成線で遺されている橋脚は全国的に舟型だったり小判型のものが多いんですが、円型というのはレアなようですね」(井上貴之さん)