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真っ赤な紅しょうがにサクサクの衣…大阪では当たり前、大衆そば屋にあって老舗にはない「紅しょうが天」の世界

2022/01/18

genre : ライフ, グルメ,

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他の天種との「進化型コラボタイプ」

 4つめが「進化型コラボタイプ」である。これは他の天種と合体した進化型バージョンとでもいえばいいのだろうか。「名代富士そば」では御徒町駅前店限定で「鶏紅天そば」を販売している。細かく刻んだ紅しょうがを衣状にして鶏天にしたもので、ビジュアル的にも味的にもインパクト大である。

「名代富士そば御徒町駅前店」限定で「鶏紅天」を販売中
紅しょうがを細かく刻んだものを衣にして揚げた「鶏紅天」
梅酢のアクセントがよい「鶏紅天そば」

 また、神田三崎町の「とんがらし」では、「べにたま」という玉ねぎと「紅しょうが」のばら天を販売している。玉ねぎの甘さと紅しょうがの酸味が交互に押し寄せる。これもまた面白い一品である。店主の樋口さんの話によると、現在は「選べる3種の天ぷらそば」の1つの天種になっているそうで、「べにたま、いか、エビ」などの組み合わせで頼める。「3種全てべにたま」も指定可能とのこと。

「とんがらし」の「べにたまそば」もうまい

 今回の取材で多くの大衆店を訪問してみたのだが、東京近郊では「紅しょうが天」は立派な人気メニューとして広く認知されていることが改めて実感できた。「紅しょうが天」にはそれだけのポテンシャルがあるということだと考えている。天丼専門店でもかき揚げのアクセントとして紅しょうがを入れる店も増えている。今後、さらなるオモシロメニューが誕生することを期待している。

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写真=坂崎仁紀

真っ赤な紅しょうがにサクサクの衣…大阪では当たり前、大衆そば屋にあって老舗にはない「紅しょうが天」の世界

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