初めは2つの天ぷら仕出し業者から仕入れていたが、2011年頃に天ぷらを店揚げに切り替えるため一旦販売を中止した。すると常連さんから復活の要望が強く上がり、2012年から再度販売を始めたという。その後、2019年にはカップ麺の「名代富士そば紅生姜天そば」が販売され、店を代表する天種となっていった。現在は自家製と冷凍品の2種類を店揚げしているとのこと。「自家製がおすすめですが、店舗によって出来上がりに差があり、それをマニュアルなどで鋭意修正している状況」だという。
仙台のローカルチェーンで絶大の人気を誇る立ち食いそば屋「そばの神田東一屋」でも「紅しょうが天そば」を2021年に販売開始している。こちらの天ぷらもふんわり揚げられており、色合いも味も絶妙である。仙台っ子にも大変好評の天種のようだ。「そばの神田東一屋」を運営する「かんだ商事有限会社」の小笠原さんの話によると、売上第2位の人気商品となっているとか。「千切りのかき揚げタイプでサクサク、ホロホロに仕上がっていて、紅しょうがの風味と酸味が出汁によく合います」とのこと。個人的には日本一うまい立ち食いそば屋の1つだと考えている。
衣までピンク色の「紅しょうが天」
JR常磐線北千住駅の1番線下りホームにある「そば処」では、衣がピンク色の「紅しょうが天」が人気である。これは梅酢で粉を溶いて衣にしたわけで、ピンクのUFOみたいな形状である。食べてみると衣まで梅酢のすっぱさに満たされていて、出汁の効いたつゆにとてもマッチしている。
「名代箱根そば」の「紅しょうが天」は玉ねぎが少し入ったタイプで彩りもよい。他にはJR武蔵野線新秋津の「木曽路」、王子駅近くの「そば処」、新宿西口地下の「新和そば」、新宿駅そばの「信州そば本陣」、三田線本蓮沼駅から近い深夜営業店「そばひろ」、板橋区仲宿の「そば谷」、日暮里「一由そば」、駒込「一〇そば」、両国などの「文殊」、日本橋などの「よもだそば」、「六文そば」、品川駅港南口の「ふじ」、秋葉原の「岩本町スタンドそば」でも販売している。京急線青物横丁駅近くにある奇跡の手打ち立ち食いそば屋「うちば」の「紅しょうが天」も絶品である。