わずか138文字の“遺書”に込められていたのは、13歳の少女の重たい思いだった。
《じつはれんあいだけでなく、友達ともうまくいってなくて、本当にみっともないんですけど、自殺したいって考えてまして、そして、もし本当に私が死んだら、●●(出身小学校)の人だけでもいいので、みんなに、ありがとうっていってください、おねがいします。●●先生も大好きですよ。今まで本っ当にありがとう》
山形県酒田市立第一中学校1年(当時)の石澤準奈(せつな)さん(13)が陰湿なイジメを受けて自殺してからまもなく1年――。「文春オンライン」の取材で、準奈さんが亡くなる半年前に書き残していた遺書の存在が新たに明らかになった。
※本記事ではご両親の許可を得た上で、準奈さんの実名と写真を掲載しています。編集部も、準奈さんの死の真相解明の一助になることを願い、可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。
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2021年の2月12日、石澤準奈さんは多くの生徒たちが登校中の午前7時50分に中学校の校舎4階から飛び降りた。準奈さんは生前に、クラスメイトから「死ね」「キモい」などと書かれた手紙を複数回にわたって下駄箱に入れられるなどのイジメを受けていた。
ノートに挟まっていた1枚の手紙
冒頭の「遺書」が発見されたのは、突然の自殺から半年が経ったお盆前のことだった。準奈さんの父親はその時の様子をこう振り返る。
「せっちゃんがいなくなってからは仕事も手に着かず、毎日毎日を終えるので精一杯でした。そんな日が半年ほど続いた8月頃、妻が娘の机の周りを整理している時に机の引き出しにあったノートを見つけたんです。ノートには小さな手紙が挟んであり、それが直筆の“遺書”でした。宛先は小5~小6の時の担任だった女性の先生で、日付は2020年7月6日。せっちゃんはその先生を心から信頼して、いろいろ相談していました。私たち親とも連絡を取り合っている方でした。手紙には《●●先生以外みるな。》と書かれていました」