それは衝撃のニュースだった。なかやまきんに君、吉本興業を退所。筋肉芸人の先駆けであり、芸人としてはかなり早い段階で(2016年)YouTubeに進出。現在チャンネル登録者数は約150万人と、押しも押されもせぬ筋肉系エンターテイナーとなった。

 世間を騒がすスキャンダルもなく、まさに順風満帆ななかやまきんに君に何が起ったか。お笑い、筋肉、アメリカ。吉本を辞めてでも叶えたい夢は、きんに君誕生の瞬間から始まっていた――。 (全3回中の1回目/2回目を読む)

なかやまきんに君さん 

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――最初に、なぜ今吉本興業から独立しようと思ったのか、そのお話を伺いたいです。 

きんに君 一言で言えば、自分の夢、やりたいことを叶えるためです。吉本にいた方が、色んな部署のサポートもあるし、アドバイスしてくれるマネージャーさんや先輩もいるし、いい面はたくさんあると思うんですよ。

 でもここから3年から5年ぐらい先を考えた時に、自分の夢を叶えるためには何かを変えなきゃいけないんじゃないかと。 

――どんな夢ですか? 

きんに君 アメリカ挑戦と、日本中の体脂肪を燃やすことです。 

――日本中の(笑)。追い込まれないと夢は叶わないと? 

きんに君 そういうわけでもないんですけど、サポートがあったらどこかで安心してしまう部分が自分の中にあるかなと思ったので。そういうところですかね。 

――吉本を出ることについては、どんなメリットがあって、どんなデメリットがあると予測されていますか? 

きんに君 今まではテレビだったりYouTuberだったり、プレーヤーとしての活動しかしてこなかったので、「裏」の作業はほぼ初めてなんですよね。問い合わせのメールに返信するとか。この仕事は自分に合うか、今スケジュール的にできるのか、できないのか。そういう判断を全部自分でしていかないといけないですからね。そういう意味じゃ責任も出てきますし。 

――メリットはどういう部分でしょうか。 

きんに君 まだちょっと始まったばかりなので、なんともわからないですけど。でも(独立の発表をしてから)すごくいろんな仕事の依頼をいただいてます。 

――所属していた時よりも、ジャンルが広がってる感じですか。 

きんに君 そうですね。例えば「新しく挑戦する姿に共感しました」という理由でお仕事をいただいたりとか。よりフィットネスに力を入れたい企業からのオファーや、大手企業さんからの商品のPRイメージキャラクターやCM依頼もあります。こんな来るの?というぐらい。ちょっとびっくりしてます。 

 

高校時代、やっと見つけたジムがマニアックだった

――「なかやまきんに君」というキャラクターはほんと唯一無二ですもんね。そもそも「筋肉が面白い」って、ものすごい発見だったと思うのですが、いつからそれを自覚されていたんですか? 

きんに君 僕、高校3年生までバスケットボールやってたんですよ。3年の夏の大会が終わって、そこから急に運動をやめるのも嫌だったので、ジムにでも行こうかなと。ちょっと筋トレにも興味あったので。

 でも当時は今みたいに24時間ジムがどこにでもあるわけじゃなく、自転車で30分ぐらい行った隣町にやっとジムを見つけました。ただ、それがボディービルのマニアックなジムだったんですよ。 

――おおお! 

きんに君 壁にはボディービルダーのポスターがいっぱい貼ってあって。最初それを見た17歳の僕は「いや、ちょっとこんな感じじゃないんだよな」って思った。 

――(笑)。想像してたのと違う。