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 先般、深圳政府高官と会う機会が何度かあり、彼らと胸襟を開いて語りあったが、彼らの思考は開明的で国際感覚に優れていて、日本人が想像するいわゆる「お堅い中国政府」とはまるで違う。どうしたら深圳を世界有数の都市にできるか真剣に考え、積極的に外国人の意見を取り入れ、起業手続きや投資環境を簡素化してきた。その結果、「中国で一番外国人が起業するのが簡単な街」と言われるまでになった。

 しかし、日本の企業家の深圳ブームが去るのは早く、2019年下半期頃にはもう深圳詣ではだんだんと下火になり、2020年のコロナ禍の影響で、完全に深圳ツアーはゼロになった。ただ、日本人の深圳ブームが去ったからといって、深圳の成長が止まったわけではなく、このコロナ禍でも加速度的に成長を果たしている。そんな中、我が社のディレクターが深圳で起業をする面白い日本の若者を見つけて来たというので、「日本人ブームが去った後の深圳」を見るために、私も深圳に行くことにした。

平均年齢20代の集いに突撃

 2021年1月、深圳在住の日本人たちが新年会を開くというので、お邪魔したところ、まず驚いたことがある。

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「うわー若い! 皆さんおいくつですか?」

「私は25歳です」

「28歳です」

「24歳です」

「本当ですか? みんな20代じゃん、俺オッサンだ。ちなみに俺のこと知ってます?」

「知ってます! 竹内さん、中国でめっちゃ有名ですよ!」

 日本の若者たちにも知られていることは嬉しかったが、それ以上に、日本の若者たちが深圳で頑張っていること、そして彼らの中国語がとても流暢だったのが嬉しかった。

中国市場で成功するには

 私の知り合いの在中国日本人たちは、若くても30代後半で、多くは40代から50代が中心だった。彼らは大手企業の駐在員であり、中国に派遣されて来る人は課長クラスの人なので、必然的に年齢が高い人が集まる。さらに彼らには通訳が付くため、中国語が上手い人にもあまり出会ったことがない。

 個人的には、中国市場を開拓しようと思えば、日本のやり方に染まってしまった中間管理職よりも、エネルギッシュな20代を中国に送り込んだ方が絶対に成功率は上がると思う。なぜなら中国市場のスピードやエネルギーに年配層がついていくのは大変だからだ。仕事のやり方も全く違うため、頭が柔らかい20代を送り込んだ方が柔軟に対応できる。

 中国で失敗する日本企業の多くは、中国に派遣された駐在員が日本のビジネスのやり方を中国に押し付け、それが通らないと、「やっぱり中国はダメだな」と相手のせいにしてしまうパターンだ。こういう人が絶対に中国で成功しないことは、逆に考えれば簡単に分かるだろう。中国企業の50歳の幹部が日本市場に来て、日本語も話せず、中国ビジネスのやり方を押し付けて来たら、彼が日本で成功するわけがない。