新海 そもそも、AV女優としての活動って、売上が良ければいいのか、知名度が上がればいいのか……。いろんな尺度があるじゃないですか。だから周りから何を言われても「何も知らんやん」っていう感じですかね。こっちの理想としていることと、あなた達が理想として規定していることは違うからみたいな。
――やっぱり、ネガティブな言葉を投げかけてくる人は多いんですね。
新海 本名が割れている身だから、どこに行ってもダメだとか、どんな仕事もできないとか言われることが多いんですけど、別に普通の企業に勤めようと思っているわけではないし、自分なりに今後の考えはあります。そもそも、自分でAV女優をしたいと思わなくなるときだってあると思うんですよね。別の道が魅力的に見えることはあるじゃないですか、人って。
そもそも、AV女優も普通に生きている人なんだから、「そんなこと言わんでいいやん」と思うことが多いですね。「AV堕ち」とか「親がかわいそう」とか「これからどうやって生きていくん?」とか。そんなこと言う人達より、みんな立派に頑張ってるなって。
現場に入って感じたのは“仕事”っていう感じ
――初めての撮影当日はどんな気持ちだったんでしょう?
新海 えー、一番はじめからあんまり緊張はしなかったですね。楽しみというか「どんななんやろう?」という気持ちというか。現場に入って感じたのは“仕事”っていう感じですかね。なんか、みんな仕事として、役割を全うして頑張っているみたいな。
私の立場だけを話すと、まだ初めてのこととかもたくさんあるけど、最近はちょっとは慣れてきた感じだから、「いい作品を撮ろう」というか。デビュー2本目くらいまでは男優さん任せ、カメラマンさん任せ、監督さん任せになってたけど、いまは自分から積極的にいかなきゃ! と思っています。買ってもらって見てもらっているわけだから、仕事として全力をかけて一本の作品を作り上げる、みたいな気持ちでいますね。
――では、初めての撮影を終えて、その帰り道はどんな心境でした?
新海 うーん。わからないことばっかりだったから「いつの間にか終わってた」みたいな感じでしたね。特に凹んだりとかもなく。撮影それ自体には何もなかったです。周りからの反応の方にいろいろと感じました。