2年ぶりに有観客で行われている春季キャンプ。しかし、新型コロナウイルス第6波と時期が重なってしまい、以前と同じような活気が戻ったわけではなかった。
ホークスのA、B組がキャンプを張った宮崎県も1月16日から“まん延防止等重点措置”が適用されている(宮崎市は1月21日に追加)。飲食店に対しては20時までの時短営業が要請されただけでなく、他地域よりもさらに厳格に「終日酒類提供禁止」が打ち出された。そのため、そもそも休業する店舗が大多数で、宮崎の歓楽街「ニシタチ」はすっかりゴーストタウンと化した。
当然、街が寂しければ県外との往来は減るし、宮崎県もその自粛を求めていた。
ホークスのキャンプ地・生目の杜運動公園も、かつてに比べれば来場者数は半分もしくは3分の1程度だった。
だとしても、今春の12球団キャンプを見比べれば、ホークスの動員力は断トツだった。各スポーツ紙には毎朝、各球団のキャンプ地の天候と気温、そして観衆数が掲載される。2月1日~20日までの来場者数の総計を調べてみた。
【セ・リーグ】
スワローズ(浦添)1万5950人
タイガース(宜野座)7350人
ジャイアンツ(宮崎・那覇)3万419人
カープ(日南・沖縄)9368人
ドラゴンズ(北谷)1万987人
ベイスターズ(宜野湾)8510人
【パ・リーグ】
バファローズ(宮崎)1万6100人
マリーンズ(石垣・糸満)3010人
イーグルス(金武)3441人
ホークス(宮崎)8万6000人
ファイターズ(名護)1万6900人
ライオンズ(南郷)4760人
じつにホークスキャンプには、2番目に多いジャイアンツの約2.8倍ものファンが訪れていた。
このご時世だから賛否両論あるだろう。だが、事実としてこれだけの動員数をなぜ記録できたのか、考察してみた。
元々、動員力が桁違い
コロナ禍以前のホークスキャンプは期間中来場者が計30万人を突破したこともあった。
宮崎は、本拠地福岡と同じ九州圏内にあることがまず大きい。また、キャンプ地の生目の杜運動公園の充実ぶりは12球団一と評判。2つの球場が隣接しており、主力のA組とチームの未来が託されているB組を行き来して見学することができる。また、その横には2つの広大なグラウンドが整備されており、盛り上がる特守やピッチャーのキャッチボールを同じ目線の高さから堪能できる。すべてが徒歩圏内で選手側の利便性の良さはもちろん、ファン目線からも「見学しやすい」「移動する選手と近くで触れ合えて、写真を撮ったりサインをもらったりできる」など、たまらない環境が整っているのだ。
今年はコロナ禍のために選手とのふれあいやサインをもらう行為が禁止されたために残念に思ったファンも多かっただろうが、憧れのプロ野球選手を間近で、同じ目線で見られるという醍醐味は十分に味わえたはずだ。
だが、それだけでは、この集客は実現できない。
言ってしまえば“ただの練習”に、なぜこれほど多くの人々が来場するのか。