日本一の学生街といえば、何はなくとも高田馬場である。高田馬場駅から駅前の早稲田通りをまっすぐ行けばご存知早稲田大学だ。

 早稲田大学には他にも最寄り駅がいくつもあるが、その中でも最も大きい駅が高田馬場駅だから、高田馬場は早稲田大学という存在によって天下に名を成す学生街になっている。

 ……といっても、あまりにその規模が大きい気がして、早稲田の学生たちにまみれてしまいそうで、早稲田大学とは何の関係もない筆者などは高田馬場にはなかなか足を運ぶ機会がなかった。

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 取材で高田馬場の町を歩くことがあっても、息を止めて急ぎ足。よそ者がうろうろしてはいけない町なんじゃないかと勝手に思っていたのである。

西武&山手線“ナゾの早稲田大学の駅”「高田馬場」には何がある?

 が、まあ天下の早稲田の学生街なのだから、そんなに排他的なわけがない。むしろ4年(くらい)で入れ替わる学生たちを受け入れているのだから、包容力は他の町以上だろう。

 それに、JR東日本の乗車人員のランキングを見てみると、2020年度はなんと13万9544人。コロナ禍で前年度から約33%少なくなっているが、それでもかなりのお客の数だ。JR東日本全駅の中でも12位という上位に位置していて、早稲田の学生だけではまかないきれないくらいの巨大なターミナルという側面を持っているのだ。

 となれば、勝手におびえていないで高田馬場に行ってみるしかない。学生街のイメージばかりが先立つ高田馬場、いったいどんな町なのだろうか。

「高田馬場」には何がある?

今回の路線図。新宿と池袋のほぼ真ん中にある「高田馬場」

 改めて高田馬場駅の位置を説明すると、山手線の西側、新宿と池袋のほぼ真ん中にある。南にはコリアンタウンの新大久保、北には学習院と田中角栄先生の邸宅でおなじみの目白。高田馬場と目白の間には神田川が流れている。

高田馬場と目白の間には神田川が

 山手線の駅間はとてつもなく短いので、新宿駅からは間に新大久保駅を挟んでいるのにたったの5分もかからない。駅につくと、1面の島式ホームにどっとお客が降りてゆく。

 この1面だけの、それもちょっと狭いホームから1日13万人以上のお客が電車に乗っているのだと思うと、ラッシュ時なんてちょっとおっかねえことになるのではないかと想像してしまう。

 山手線の高田馬場駅は高架なので改札口はホームから階段を降りた高架下にあるのだが、ホーム中程には登り階段もある。これはこの駅で接続している西武新宿線との乗り換え階段だ。

1面の島式ホーム

 お客の動きを見ていると、結構な人が階段を登って西武方面に行ったり、逆に西武線から山手線にやってくる人もいる。13万人以上の乗車人員には西武線と山手線の乗り換え客もかなりの割合で含まれているのだろう。