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じつは遠い早稲田大学までの道のり。本当の最寄りは…

 高田馬場駅は南北に山手線と西武線が通っていて、早稲田通りがそれらを串刺しにして東西に伸びている。早稲田通りは西も東も繁華街になっていて、西側は駅の脇から神田川方面に斜めに続くさかえ通りという飲食店街がある。

 
 

 東側は駅前の雑居ビルからパチンコ店、例の学生ローンからカラオケボックス、チェーンの飲食店まで、原色系の色鮮やかな看板が延々と続く。この看板の下をずっと歩いていけば早稲田大学だ。

 
 
 

 先ほども出てきた早稲田大学出身の友人に言わせれば、高田馬場から早稲田大学まで歩くことを“馬場歩き”などというらしい。

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 わざわざ名前なんてつけんでもと思うが、実際に高田馬場駅から早稲田大学はちょっと遠い。歩いて15分くらいか。大学生なら、というかふつうのオトナならば何のことはなく歩けるが、本当の大学の最寄り駅は東京メトロ東西線の早稲田駅である。

 

 だから、高田馬場駅でJRや西武線から東西線に乗り換えてひと駅、早稲田駅まで向かうのが正統の通学ルートなのだろう。

 ただ、まあわざわざ乗り換えてまでひと駅分だけ乗るくらいなら、おカネも節約できるし歩こうぜ、となる人が多いのだ。そこで無駄使いをしていては学生ローンのお世話になりかねない……ってことはさすがにないですよね。

誘惑に満ちた「高田馬場」

 とにかくそんなわけで、早稲田通り沿いは早稲田大学まで延々と飲食店やら何やらが連なる繁華街になっている。大学生は一日中動き回るので、朝から晩まで人がいる。とにかく賑やかで人通りが絶えず、歩道をまっすぐ歩くのも難しい。

 チェーン系の飲食店、ラーメン屋、カラオケ、小洒落た飲食店、安酒場。それにパチンコ店や雀荘、学生ローンなどを加えれば、学生たちにとって必要なものはすべて揃う。

 むしろ揃いすぎていて、ふしだらな学生生活からダメ人間に転落するきっかけだっていくらでもある。もちろんほとんどの学生がマジメに生きているのだろうが、これだけ誘惑に満ちた町であったら、精神的にはずいぶん鍛えられそうだ。

 
 

 ただ、今回は別に早稲田大学に行くことが目的ではなくて高田馬場駅を歩くこと。なので“馬場歩き”はほどほどに。ちょうどほどよいところに明治通りとの交差点があったので、そこから引き返すことにする。