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 当時のアシスタントって、フリップを持って「住所はこちらです!」とか、ワゴンの上に載せて商品を運んでくるようなイメージ。それなら、ケーキを箱に詰めるより楽そうだなって(笑)。

 しかも、当時の不二家の時給が380円、テレビは1回の出演料が5000円。大卒あたりの初任給が14~20万の時代でした。番組に週5日、1ケ月出演すると、もう月給に近い金額ですよね。だから、バイト先を不二家からおニャン子クラブに乗り換えた。そんな感覚でした(笑)。

楽屋に到着するのが生放送の5分前

――新しいバイト先だったと(笑)。しかし、番組がはじまってみたら、アシスタントどころかかなりメインでしたよね。

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新田 でも、やっぱりバイト感覚だったので、スタッフに言われたことをやるくらい。スタッフがここに座ってと言えば移動して、これ読んでと言われれば「はいは~い」と。

 それよりも、学校が終わって埼玉の高校から河田町(フジテレビ)まで急いで行くのが大変でした。授業が15時15分に終わって、そのまま自転車に乗って坂道をダッシュ! そこから電車を3本乗り継いで、楽屋に到着するのが生放送の5分前。急いで着替えて、ファンデーションだけ塗ったかな? もう、すぐに17時から番組が始まって。毎回フジテレビにつくまで、体育の授業みたいでしたよ。

「バイト先を不二家からおニャン子クラブに乗り換えた」くらいの感覚だったと笑う

バージンじゃつまらない

――『夕やけニャンニャン』に出てみていかがでしたか?

新田 もう、毎日が文化祭みたいでしたね。 

――出演番組で印象に残っていることはありますか?

新田 『オールナイトフジ』で(とんねるずの)タカさんがカメラを壊したときですかね。タカさんたちが「一気!一気!」と自分たちの歌を歌っていたら、どんどん気持ちが盛り上がっちゃったのかな。スタジオ内を動き回って、勢い余ってカメラのところにいったと思ったら、突然カメラが前に倒れて。あんなに賑やかだったスタジオが、一瞬水を打ったようにシーンとしたんです。

――怖すぎます…。

新田 時が止まりましたね。子どもだったので正確な値段はわかりませんが、たぶん何千万かしたのかな。家を買えるくらいの値段だったって。あんなにふざけていたタカさんの顔が、一瞬真顔になって(笑)。あの空気感は一生に1回だけだと思います。