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20歳を超えてもニートの『おそ松さん』がTVアニメに

――2015年に赤塚不二夫生誕80周年記念作品として『おそ松さん』がTVアニメ化されました。6つ子たちが20歳を超えてもニートいう設定の『おそ松さん』のお話が来た時、率直にどう思われましたか。

インタビューを受けるりえ子さん ©文藝春秋

赤塚 最初にぴえろさん(※アニメ制作会社)から『おそ松さん』のお話をいただいた時は、とてもびっくりしました。ただ、「正直どうなんだろう」って。なので、最初は「原作の設定の『おそ松くん』でお願いします」と話したんですよね。

 だけど、6つ子たちが20歳を超えてもニートいう設定の『おそ松さん』もなんか面白そうだなと思ったんですよね。父の生誕80周年記念ですし、お祭り騒ぎのようになってもいいんじゃないかなって。きっと父なら「面白いんじゃない?」って言うと思ったので、結局「『おそ松さん』でお願いします」と。

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――原作を守りたいということよりも、新たな面白さを選んだということですね。

赤塚 とにかく面白くて、みんなが楽しければ嬉しいですし、それは父が目指していたことなので。あと父は、「アニメっていうのは、アニメ制作会社が作った作品だから原作はまた別」という考え方をしていたんですね。アニメであろうが、グッズであろうが、入り口はなんでもいいんですよね。それで原作の面白さや赤塚不二夫という漫画家が描いたということを最終的に知っていただければ嬉しいです。

りえ子さんが父・不二夫について記した『バカボンのパパよりバカなパパ』(幻冬舎)

『おそ松さん』大ヒットで、舞台化・映画化へ

――結果、『おそ松さん』は大ヒットして、TVアニメだけにとどまらず舞台化、映画化と次々と展開されていきましたね。

赤塚 本当にみんなびっくりして(笑)。でもアニメがきっかけで赤塚不二夫を知らない若い世代の方がたくさん原作を読んでくれたので、それもすごくありがたいですよね。そうやって皆さんのなかで「おそ松くん」が生き続けているんだなって思います。

――3月25日にSnow Man主演で『おそ松さん』の実写版映画が公開されますよね。

赤塚 実写映画というのは新鮮ですよね。映画も楽しんでいただいて、原作も楽しんでいただけたら嬉しいです。『おそ松さん』はずっと応援してくださっているコアなファンの方もいるので、本当にありがたいです。