視力測定をすると、問題が見つかることが多い
野宮 だいたいの人が40代半ばで、老眼に気づくけど、その時点では遅いの?
藤 遅くはないです。ただ、人間の体って、すごくよくできていて、目がちゃんと見えていなければ、体がそっちへ合わせてしまうんです。見えづらいなりに見えるポイントを探したり、一瞬グッと力を使って見たり。
視力って他人と比べられず徐々に変化するので自覚しづらいし、どうにか見ることができるから放置してしまう人が多いのです。でも、頭痛や肩こりは体からのSOS。無意識のうちに体が頑張ってしまうので自律神経に影響してくることも。
50歳前後、あるいは60歳ぐらいまで「私は老眼じゃない」とおっしゃる方がいらしゃいますが、しっかり視力測定をすると何かしら見え方に問題が見つかることが多いです。それは近視の方もコンタクトユーザーの方も同じ。40代後半以降はどんな方も老眼症状は現れ、メガネなしで快適に生活することは難しくなります。
渡辺 ちなみに、遠視、乱視、近視の違いって……。
藤 遠視は遠くがよく見えると思っている人も多いですが、遠くも近くも調節力を使わないと見えづらい。近視は近くのものははっきり見えるけれど遠くのものがぼやけてしまう。乱視は一定方向に強い近視が入るのでものがぼやけたり、二重に見えたりします。
野宮 とにかく、頑張っちゃいけない。
藤 はい。「ちょっと見えにくいかも」と思ったらすぐ検査を。私はもともとメガネユーザーですが、いま44で、もうすでに老眼対応したレンズを使ってます。
渡辺 よく、老眼鏡はなるべくかけない方がいい、って言いますよね。メガネをかけると老眼が進む、眼筋を鍛えたほうが、みたいな。
藤 もちろん、眼筋を鍛えるのはいいことだと思います。でも、それで老眼にならないわけではないんです。メガネなしでいると逆に、体が疲れてしまうし、無意識のうちに「見えないもの」を捨ててしまう。本を読まなくなる、お裁縫をしなくなる、細かなものを見ようとしなくなってしまう。
野宮 確かに。何食べてるのかわかんないときがある。