まずは遠近両用を1本つくる
藤 本当にそうだと思います。健康診断では遠くの視力のみの測定なので、残念ながら近視、遠視、乱視、老眼さえも発覚しにくく対処が遅れがちです。特に今は、5分に1回はスマホを見る生活。近くを見るときだけの老眼鏡ではなく、着けたまま出歩ける1本を作ることをおすすめします。
野宮 つまり、近くのものと遠くのものと、両方見える遠近両用メガネ?
藤 はい。1枚のレンズの中で度数が変化している累進レンズです。車の運転や外出など、遠くをしっかり見られるのが遠近、家事やデスクワーク、室内用に適しているのが中近、長時間の手元作業が長い方は、歩くことはできませんが近近。生活スタイルに合わせておすすめが変わります。
渡辺 そんなに種類が!
藤 遠近1本でカバーできる方もいらっしゃいますが、50歳を過ぎると老眼も進行しますから、シーンによって使い分けることをおすすめします。山登りするとき、ランニングシューズでも登れるけれど、歩きやすさは登山靴の方が快適に登れますよね。調節する力が衰えたら、その作業に適したメガネにかけ替えるだけで疲れが違うんです。靴と同じ。
一同 確かに~!!
藤 どうしても、メガネにはお金をかけたくない、1本で、ってなりますけれど、ちょっとだけ考え方を変えていただけると、これほど快適なことはないんです。逆にメガネをかけないままでいると、視力の左右差がある方、例えば、左が1.5、右が0.5の方は、左目ばかりで見てしまうので、右目を使わなくなってしまう。すると、片方の筋肉だけが下がってくる、ということもあるんです。
※後半では「お店でメガネを選ぶ際は全身鏡でチェック」「大人世代こそハッキリした色のフレーム」「メガネ拭きはハンカチ並みに洗う」など、すぐに役立つメガネのお洒落&ケアのポイントが続々登場。続きは発売中の『週刊文春WOMAN vol.13(2022年 春号)』にて掲載。
お話を伺ったのは......眼鏡スタイリスト 藤裕美さん
とうひろみ/1977年福岡県生まれ。眼鏡店で働きながら彫金技術を学び、ネジから眼鏡を製作。2007年にドイツへ渡り、眼鏡ブランド「frost」に勤務。帰国後、眼鏡スタイリストに。著書に『めがねを買いに』『あなたの眼鏡はここが間違っている』。19年桜新町に眼鏡店tö開店。
訪れたのは......tö(トォー)
東京都世田谷区新町2-6-21-1F
03-6670-4499
info@to-o.co
完全予約制(同時間1組)
text:Izumi Karashima
photographs:Hirofumi Kamaya
hair&make-up:Tsukasa Mikami(Watanabe)
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2022春号
2022年3月22日 発売
定価550円(税込)