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 すると足元まで寄って来たのは……ただ重いだけの大きなカニだった。

 ハリスに付けられた傷はハサミでできたものだった。

 やはりそうだったか。撤収。

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それぞれの針に「カツオ」「ファミチキ」「カニ」を付け、いざ準備

 最後に向かったポイントは、前日に下見に来ただけで一度も仕掛けを投入していない初場所。0時に釣りを再開し、朝5時まで粘ることにした。

 戦法はペットボトル釣法といって、ペットボトルに針と糸とオモリがあればできるシンプルな仕掛けを使ったものだ。

 ペットボトルに10mほどナイロンラインを巻き付け、オモリを通して針を結ぶ。川に仕掛けを投げ込んだ後は、余分な糸をペットボトルに巻いて、テンションを張るための最後の数巻をキャップ下の窪みに行う。そうすることでアタリが出た時にペットボトルが倒れやすく、魚が引っ張ると、巻き付けた釣り糸が放出される仕組みだ。

ペットボトル釣法。これで過去には鯉やシーバスも釣れた

 リールのベールを返したのと同様の効果が得られ、魚に警戒心を与えることなく餌を飲み込ませることができる。これを3本用意して、それぞれの針に「カツオ」「ファミチキ」「カニ」を付けた。

沖縄ではオオウナギ釣りにファミチキが有効とされている

 ファミチキは匂いが効果的らしい。実際釣れたという動画も拝見した。またオオウナギは「カニクイ」と形容されるほどカニが好物だと調べていたので、最終戦は餌のラインナップを増やして抜かりなく攻めていく。

近くの用水路で採取したカニ

遂にオオウナギとの死闘!

 ここで限界を迎えた体力を回復させるため、仕掛けを投入して車で1時間仮眠を取ることにした。

 旅くじのガチャで石垣島を引き当てた時は、こんな過酷な釣行になるとは思わなかった。半分余ったファミチキを夜食にしてペットボトルの確認に向かうと……。

 カニを付けたペットボトルが倒れていた。

倒れたペットボトルから糸が放出されている

 さらに糸が張り、仕掛けの投入点から大きくずれていた。間違いなくオオウナギだ……。

 糸を手繰り寄せようとすると、すでに根掛かりしていた。

根掛かり

 恐らくオオウナギが水中の岩の隙間に潜り込んだのだろうと思い、四方に移動しながら引き抜ける角度を探した。