プーチンの年収は約1329万円?
プーチンは11年12月に中央選管に大統領選立候補を届け出た際、収入を申告し、年収を443万ルーブル(約1329万円)と公表した。首相としての本給やKGBの年金などを含めてで、主要国首脳では最も安い水準だろう。
資産として、モスクワ郊外の土地1500平方メートルやペテルブルクの77平方メートルのマンション、乗用車3台を記載している。
しかし、ロシアのニュースサイト、NEWSru.comは09年、プーチンがなぜかいつも右手にはめる腕時計はスイスの超高級ブランド、パテック・フィリップ・パーペチュアル・カレンダー(推定6万ドル)で、年収に比べて高すぎると疑問を呈した。プレゼントなら贈賄であり、自腹なら収入の過少申告の可能性がある。
プーチンは「欧州一の大富豪」という説もある。政治学者のベルコフスキー国家戦略研究所長は07年12月、ドイツ紙ディ・ウェルトに対し、「プーチンは400億ドルの総資産を持つ欧州最大の富豪だ」と漏らした。
所長は、プーチンは政府系石油企業スルグートネフチェガスの株式の37%、ガスプロム株式の4・5%、グンバー株式の50%を保有しており、「偉大なビジネスマンだ」と述べた。400億ドルなら、世界4位の大富豪という。この報道はロシアの一部新聞が転載した。
08年の会見でプーチンはこの点を質問され、「私の財務状況で様々な噂が流れており、それについて書いた新聞を見たこともある。くだらない噂であり、言及に値しない。単なるナンセンスだ。新聞はゴミのような記事を取り上げている」と退けた。
実際には、これらの株主名簿にプーチンの名は記載されていない。ただ、グンバーの株式は約半分をチムチェンコが保有しており、灰色の部分がある。チムチェンコから資金の一部がプーチンに還流されている疑惑を「白書」は指摘した。
プーチンは11年9月、作家らと会見した際、チムチェンコとの関係を問われ、こう述べた。
「私はチムチェンコをペテルブルク時代から知っている。当時、彼はキリシ製油所で働いていた。石油輸出を担当した彼のチームは製油所を辞め、民間企業を立ち上げた。新会社は徐々に発展した。彼は民営化の最初の段階から石油輸出ビジネスに関与しており、新参者ではない。メディアで報道されるのとは違って、彼らは独力で発展させ、私が助けたことは一切ない」
作家の1人は、「チムチェンコが大富豪となり、フィンランド国籍を取得したのは奇怪だ」と脱税の可能性に触れたが、プーチンは、「欧州とのビザ制度では、輸出業者は正常な取引ができない。
輸出業者の9割は、業務円滑化のため外国の市民権を取得していることを隠しているが、彼はそうではない。ロシア国籍も残している」と述べて容認した。政権に忠誠を誓いさえすれば、何をしてもいいというのが、ビジネス上の「ゲームのルール」のようだ。