『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』(遠藤 和(のどか)著)小学館

 著者は、2021年9月に24歳で亡くなった。大腸がんだった。本書は、亡くなる10日前まで著者が実際に綴っていた日記を中心に構成。そこにあるのは、夫である「遠藤さん」との恋、がんの発覚、病と闘いながらの結婚、妊娠・出産、子育て、と濃密な日々だ。《遠藤さん、やっぱり好き》《痛い。もう、こんな身体やめたい》《どうなろうとも、娘には、全力で戦ったママの姿を見せたい》《24年間でいまが一番しんどいけれど、一番幸せ》――といった家族への愛、がんを抱えての結婚・妊娠に対する葛藤、抗がん剤の副作用の辛さなどが、正直な言葉で書き記されている。

「『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ系)の放送で著者を知りました。過酷な状況のなかでも常に前向きで、まっすぐに人を愛する姿が印象的で。私と同じ歳で普通の女の子なのに、なぜあれほど強く生きられるのか。それを知りたくて取材を申し込みました」(担当編集者)

 本書の内容は、その「答え」にもなっている。

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 著者は2021年12月の出版を目標に原稿整理を進めていたが、終盤の作業は家族が引き継いだという。

「若い母親層だけでなく、困難を抱える方やそのご家族からも『勇気をもらった』という声が多く届いています。きっと著者も喜んでいると思います」(担当編集者)

2021年12月発売。初版5万部。現在2刷11万部(電子含む)