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 友達や親戚から「慶應まで行ったのにもったいない」とか「いい企業に入って普通に働いた方がいいのに」とか言われるのも悔しかったし。遅かったから、その分頑張らなきゃいけなかった。

 自分にできることはなんでもやろうと思ってました。どんな小さい仕事でもやりたい。いつでもどこでも自分が一番下という気持ちでやってます。 

――そう考えると、芸能界入りが遅かったのはむしろアドバンテージだったのではないですか。 

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才木 たしかに、そうかもしれない。遅かったからこそ、その分ダッシュしなきゃ、遅れを取り戻さなきゃと頑張れたのかもしれないですね。良いことに気づかせていただきました(笑)。 

 

社会のレールに乗っかることに反発した大学時代

――芸能人になろうと思ったのは、慶應大学時代ですか? 

才木 そうです。大学の3年か4年か。周りは就活で、リクルートスーツ着て黒髪にしてという時に、私だけ茶髪にミニスカで。「玲佳どうすんの」ってめっちゃ言われてたんですけど。 

 私は「いい大学に行っていい企業に就職して」みたいな社会のレールに乗っかっていくのがすごく嫌でした。もしこの会社に入りたい、この仕事をしたいというのがあれば、就職してたと思います。そう思える会社や仕事はなかったので、私がその時やりたいと思っていた芸能の道に進みました。 

デビュー当初の才木玲佳さん(WALK.提供)

――実際芸能界に入ってギャップを感じましたか。思い描いていたものとは違う……みたいな。 

才木 それは時々ありましたね。テレビの世界ってこういう感じなんだと。やっぱりテレビに出るためにちょっと作る部分もあります。 

――以前オアシズの光浦さんにインタビューした時に「芸能界は真剣に嘘をつくところ」とおっしゃってて、なるほどなって思いました。 

才木 そう、でも私はそれが心苦しくて。たとえば、好きな男性のタイプを聞かれた時に、筋肉キャラでやってたから、筋肉に寄せた回答をした方が面白いのかなと思ったし、普通に答えるとガッカリされることもあったので。それで「真面目な人」と答える代わりに「土曜日の朝からジムに行く人が好きです」と答えたり。

 でも、最初は「これぐらいの嘘はいいか」と思っていたことが、年数を経るにつれてしんどくなってきてしまって。 

 だから、今後は好きじゃないのに好きと言わなきゃいけないようなお仕事は、もう潔く断ろうと。どんな仕事でもやりたいという気持ちは変わりませんけど、自分の気持ちに嘘をつくというのはちょっと違うかなっていうのはあります。