ボディビルもプロレスも、結果を残したからやめられる
――ボディビルの大会で結果を出したことで、筋肉にも踏ん切りがついたのでしょうか。
才木 そうなんですよ。プロレスをやってた時は脂肪があった方がスタミナになるし、クッションになるしって言い訳しながら、極力減量を避けてきたんです。でも、ボディビルに挑戦したことで今までに経験がないくらい身体を絞って、すっきりした部分はあります。ここまでやって、1個かたちには残ったから、筋肉も悔いなくやめられるなって。
――プロレスについてもそういう気持ちですか?
才木 プロレスも……そうですね。正直、続けた方がいいんだろうと思う。今、女子プロレスって世界的にも人気ですし、ファンの人からも「またリングでの姿を見たいです」って言ってもらえて、その期待に応えたい気持ちもあるんですけど。
怪我をしたことで、プロレスにはトラウマがあるんです。また怪我をするんじゃないかという恐怖や、今は特にレギュラーで頂いているお仕事もあるので、芸能のお仕事に穴をあけてしまう恐れの両方がある。
でも、プロレスラーとしてチャンピオンベルトも何回も巻いたし、そこで結果を残したからやめられる。これが全部宙ぶらりんで中途半端だったら、きっと悔いが残るんじゃないかと思います。
――最後にお伺いしたいのですが、才木さんが思う「アイドル」って、どんな存在ですか?
才木 アイドル……なんなんですかね。でも、私、自分がアイドルだと思ってやってなかったかもしれない。さっきの「肩書き問題」じゃないですけど、わかりやすく伝えるために「筋肉アイドル」って名乗っていただけで、別に形はなんでもいいかなって。
アイドルは、そうだな、「自由」ですかね。本人が楽しいのが一番だと、本当にそう思います。だって毎日が楽しかったら、人生は絶対ハッピーライフじゃないですか。それの積み重ねだと思うんです。
私のコンプレックスがチャームポイントになったように、嫌なことの裏にはたぶんいいこともなにか見つけられる。そう思えば辛かったことも全部無駄ではないと私は思うから。今が辛くても、きっとこれが未来のためになってると思って、乗り越えたらいいのかなと思います。
写真=平松市聖/文藝春秋
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