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勝手に温泉宿を予約

 しかし、彼女の苦悩はこれで終わらなかった。彼はそれからも幾度となく浜野さんを食事に誘ってきたという。業務連絡用に交換した個人LINEにも、頻繁にメッセージが届いた。

「LINEも仕事の内容以外は既読スルーしてました。そしたら社内メールを使って誘われるようになって……。暗に拒絶しているつもりだったんですけど、全然伝わらない。ハートが強すぎませんか?

 でも、完全に拒絶したら仕事に支障が出たり、社内の空気が悪くなったりするかもしれないと不安になり、仕方なくもう一度食事に行ったんです」

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「本当に行きたくなかった」と、浜野さんは苦悶の表情を浮かべる。その日はもちろん「絶対に1軒目で帰ろう」と強い意志を持って指定の店に向かったという。

「一体何を言われるのだろう、と構えていると『温泉宿を予約したから。来週の金曜に有給をとっておいて』と言い出したんですよ。その店は個室だったので、断って逆上されたら怖いと思って『考えておきますね』と答えを濁しました。

 これも、断ったつもりだったのですが、翌日から『考えてくれた? そろそろ有給の申請しないと』という確認メールが何通も送られてきて……。さすがにまずいと思って『ごめんなさい。行けません』と返信しました」

 さすがに本気の拒絶が伝わっただろう、と安堵していると、小島氏から以下のようなメールが……。