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デビュー曲「泣かないぞェ」では「世の中すべてみんな 全部ウソツキ」と…鈴木蘭々(46)が振り返る、“20代の自分が達観しすぎていたワケ”

鈴木蘭々さんインタビュー #2

2022/05/08
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 子供の頃に無鉄砲にも芸能界に飛び込んだことで本当にたくさんの人と出会って、さまざまな経験をさせてもらったと思います。そのおかげで、自分の良くない心癖(こころぐせ)を見つめたり直すこともできました。 

 その一つに、すぐ物事をリセットしたがるというものがあって。たとえばゲームで命がまだ残り4つもあるのに、1回目で死んじゃったらやり直したい、みたいな。5つの命のままクリアしたいから、初めからやり直す。 

――それはある種、完璧主義者でもあるということなのでしょうか。

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蘭々 物事にもよるけど、多分にそういうところがありました。自己肯定感もそんなに高い方ではないし、自分で自分を勝手にジャッジして悶々とすることがありますね。 

 

他人をなかなか許せなかった

――自分に厳しいということは、他人にも厳しかった?

蘭々 これも物事によりけりだけど……今でこそ分煙文化も広まって、タバコマナーも確立していい感じですけど、昔はこっちがご飯食べててもお構いなしに目の前でタバコをスパスパ吸う業界人とか、深酒しすぎてベロベロの人とか、たくさんいたんですよ。ストレス社会ですから、今なら一定の理解を示せますけど、若い頃はただただ嫌悪でしかありませんでしたね。

――今の時代であれば、当時の蘭々さんの感じ方のほうが主流な気もしますが……言い換えれば、不条理なことをされたり、誰かがされているのを見ると黙ってられないみたいなことでしょうか。

蘭々 そういうところもありますね。たとえば誰かがパワハラをされているような場面でしゃしゃり出て、結果、自分が流れ弾受けがち、みたいな。昨今、芸能界の不条理が槍玉に挙げられていますけど、どの世界にだってありますよね、そういうことは。だけど良い人もたくさんいて、良い人からも多くを学びました。 

 14歳くらいの時、代理店の人に「この世界でわがままになっちゃいけないよ、仕事では表面上にこやかにしていても、裏では何を言っているかわからない人もいるからね」と言われたことは今もよく覚えています。