——学生時代から牧場に行っているとは筋金入りの競馬ファンですね。アナウンサーになってからの牧場通いはどうなりましたか?
福原 休み返上で行きましたよ。土日が競馬場だと週中のどこかが休みになるんですが、そこでトレセンに調教を見に行ったり、北海道の牧場に行ったり。セレクトセールも行きました。『めざましテレビ』も担当していたので、朝放送を終えてから飛行機に乗って北海道等に行ってセリを見て、夕方帰ってきて翌朝はまた『めざましテレビ』。終わったらまた飛行機に乗って……。
——すごいフル回転。ほとんど寝られないですよね。
福原 そんなことはどうでもいいんです。でも、セリの会場に行くと「あれ? 福原さん朝テレビ出てましたよね?」って言われるんですよね(笑)。そこから馬主さんや調教師さんとの話のきっかけになるんですよね。ハードだから行くのをやめるとか、そういうレベルじゃないんです。
——それだけ好きな競馬に仕事で携わると、好きな気持ちが変わっていくこともありそうですが、そういったことはなかったんですか。
福原 なかったですね。むしろいろんな方の話を聞く機会をいただいて、どんどん好きになっていく。興味が尽きることがないんです。分からないことがいっぱいあるから……。
「新聞を見ても『○○断然』『負けられない』と書いてある。でも負けるんです。競馬って永遠に分かった気になれない」
——競馬ファンになったきっかけは何かあったのでしょうか。
福原 最初に自主的に見たレースは、1983年のミスターシービーのダービーなんです。そのときは「ミスターシービーが勝つんだって」というのは聞いていたんですけど、後ろから追い込んでくる馬だったからテレビを見ていてもどこにミスターシービーがいるのかさっぱりわからない。そのときはそれくらいで終わっちゃったんです。
で、翌年にシンボリルドルフというこれまたすごい馬が現れた。どんな馬なのだろうと知ろうとすると、ライバルにビゼンニシキという馬がいて、ダービーはこの二強の対決だというふうに言われていたんです。
——で、結果は……。
福原 シンボリルドルフが勝つんですが、ビゼンニシキは大敗するんです。血統的なものでダービーの距離2400mがダメだったという話を後から知って。ずっと二強と言われていたのに、2400mになるとこんなことになっちゃうんだ、と。そこから競馬にハマって行きました。