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朝『めざましテレビ』→飛行機で北海道→牧場→夕方帰ってまた翌朝に…“筋金入りの競馬ファン”アナウンサーの“財産”

朝『めざましテレビ』→飛行機で北海道→牧場→夕方帰ってまた翌朝に…“筋金入りの競馬ファン”アナウンサーの“財産”

福原直英さんインタビュー#2

2022/05/02

genre : エンタメ, 芸能

——簡単にはいかない、ということですよね。新聞の予想も当たるとは限らないですし。

福原 そうなんですよ。スポーツ新聞を見ていても、見出しに「○○断然」「負けられない」とか書いてある。でも、負けるんですよね。最近、自分も本当にそうだなあと改めて思うんですけど、競馬って永遠に分かった気になれないんです。「競馬のことは100%知っています」ということは決してない。だからずっと、ここまで来ちゃったんです(笑)。

「馬って今から自分が何メートル走るか知らないんだよ」

——なるほど。

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福原 いままで競馬を見たことがないという若いアナウンサーと一緒に競馬場に行ってアドバイスをするときに、「馬って今から自分が何メートル走るか知らないんだよ」とよく言うんです。自分で2000m先に向かって先頭でゴールしようと思っているわけではなくて、人間がいろいろ考えているだけ。馬自身は何も分からないわけです。だから、まったく予想もつかない結果になることがある。そしてそれを考えるのがおもしろいんです。

 

——予想されるときはどんなことを考えているんですか?

福原 私は馬を見たいんです。

——パドック派ですか。でも、武豊さんも「パドックを見たってわからない」とおっしゃるくらいですよね。

福原 ですよね(笑)。でも、あのパドックで馬を見ている時間で分かった気になることができる。新聞の成績や調教データで分かってくるものももちろんあるんですが、じゃあこの馬ってどんな馬?って。最後は馬体に行き着くと思います。

 

 馬も同じようでいて千差万別、それぞれの個性があって、新聞上のイメージとは違うこともあります。パドックで見てよりよく見える感じ……というか自分の好みの馬に予想が偏っていったりして……。

——やっぱり直接自分の目で馬を見るときのトキメキが。

福原 ありますよね。シンザンを見たとか、サンデーサイレンスを見たとか、ノーザンテーストを見たとか、やっぱり僕の中では馬券が当たったのと同じくらいエキサイトしますよね。大げさにいうと、「あの馬をこの目で実際に見たことがあるんだ!」という経験は財産ですよ。