「同窓会」の翌年の1994年には、堂本剛さん、堂本光一さん(共に当時15歳)が出演し、キスシーンにも挑んだ「人間・失格~たとえばぼくが死んだら」もTBS系列で放送されました。
「『同窓会』とか『人間・失格』の時代は、同性愛を扱った作品はだいたい悲劇と紐付けられていたように思います。いじめ、虐待、病気、家庭不和のような辛いことのオプションとして同性愛もラインアップされていたというか。少し後のドラマ『ネバーランド』でも、同性に性的虐待を受けて死を選ぶ少年が登場します。
それもあって、推しが同性愛をテーマにした作品に出演した時は“演技がんばったね!”と讃える気持ちにはなっても、単純な盛り上がり方はできませんでした。行間を楽しもうにも“行”が太すぎるんですよね……」(前出・Aさん)
「ネバーランド」は2001年にTBS系で放送され、今井翼さん(当時19歳)・三宅健さん(当時22歳)がダブル主演したドラマです。傷を抱えた少年たちが暮らす男子寮が舞台で、生田斗真さん(当時16歳)、村上信五さん(当時19歳)、田中聖さん(当時15歳)らも出演。海辺の寮に集う美少年たちのビジュアルはひたすらまぶしく、写真集も発売されています。
「お前らこういうのが好きなんだろ?」は苦手という声も
このようにジャニーズがBLと接近することは以前からあったものの、真正面からBLを扱う作品だと逆に「盛り上がりづらい」という声もAさんに限らず聞かれました。その気持ちの裏にあるものはなんでしょうか。
「『養殖ものじゃなくて天然ものを味わいたい』ってことじゃないでしょうか。私がヲタ友とよく話すのは『用意されたラブはテンション上がらないよね』ということです。
グループの中にナチュラルに仲が良いメンバーがいてその関係性がちらっと見えたり、ライバル関係とか助け合いとか、そういう人間ドラマが見たいんです。その中で推しの混じりけのない“くそデカ感情”が見えれば最高。でも『お前らこういうのが好きなんだろ?』って提供されるものは苦手で、メンバー同士が意味深に密着するような振り付けも私はそそられません」