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未解決事件を追う

「警察には絶対に言わんとって。殺されるから」角田美代子の“喰い物”にされた一家の悲惨な末路とは

「警察には絶対に言わんとって。殺されるから」角田美代子の“喰い物”にされた一家の悲惨な末路とは

「尼崎連続変死事件」の謎 #2

2022/05/05

genre : ニュース, 社会

 2011年11月に監禁していた女性への傷害容疑で、主犯の角田美代子が逮捕されたことが端緒となった「尼崎連続変死事件」。

 死者・行方不明者が10名以上にのぼるこの事件において、14年2月17日に兵庫県警により、行方不明者として公開手配されたのが、森本賢吾さん(手配時37)と桐原信枝さん(同61)である。

 前回の賢吾さんに続き、ここでは03年10月頃を最後に、美代子が作り上げた「角田ファミリー」による監禁状態から、行方がわからなくなったとされる信枝さんについて、彼女が置かれていた境遇を含め、関係者への取材をもとに検証していきたい。

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角田美代子

「リツ子と勝一、あのふたりが悪いんや」

 まず信枝さんと美代子の関係について説明しておくと、双方に姻戚関係は存在しない。兵庫県尼崎市の末吉家(仮名)で、2男2女の末っ子として生まれた彼女は、高校時代に同県神戸市の桐原家に養子に入った。その経緯については後述する。

 そんな信枝さんの兄で、末吉家の長男である末吉勝一さん(仮名)が結婚した相手というのが李リツ子さん(仮名)だった。互いに再婚で、リツ子さんには前夫との間の連れ子がいた。それが後に美代子の「暴力装置」と評された、“マサ”こと李正則(無期懲役で服役中)である。

 勝一さんについて説明しておくと、彼は京都府内の大学を中退後、父親と同じ警察官になったが2年で退職。その後、尼崎市内の公立小学校で校務員をしていた。リツ子さんとは尼崎市内のスナックで出会っている。また、中学時代の後輩が、美代子の内縁の夫である“東”こと鄭頼太郎(懲役21年で服役中)であり、彼を通じて美代子と出会う。さらにいえば、リツ子さんと美代子も尼崎市内の夜の街での仕事を通じ、旧知の仲であった。