近年、幅広い世代から人気を集めている「カプセルトイ(通称ガチャガチャ)」。その市場規模は年間約450億円まで拡大しているという。こうした中で、2021年の発売開始から爆発的な盛り上がりを見せているのが、さいたま市のご当地ガチャである「大宮ガチャ」と「浦和ガチャ」だ。
2021年3月に「大宮ガチャ」の第1弾が“旧大宮市”限定で発売されると、ご当地イジり的なクスッと笑えるラインナップや「さいたま市民ですら知らないのでは?」というニッチなラインナップがTwitterを中心に大きな反響を呼び、発売2日で1000個が完売。そして同年9月に誕生した「浦和ガチャ」も、“旧浦和市”限定での展開にもかかわらず、発売初日に1800個が完売した。
さらに2022年3月には「与野ガチャ」も登場。“旧与野市”に3か所しか設置していないが、「大宮」「浦和」を凌ぐ勢いで売れ、約1ヶ月で販売数が1万個に達する。
2022年3月末時点でシリーズ累計7万6000個を売り上げており、その人気は止まるところを知らない。そんな「さいたま市ガチャシリーズ」について、商業施設「大宮アルシェ」を運営する企画元の株式会社アルシェ・中島祥雄社長(53)に、ヒットの裏側と今後の展望を聞いた。
“内輪ネタ”がきっかけでガチャの企画を構想
「ガチャの発売を思いついたのは、内輪ネタがきっかけだったんです」
「大宮ガチャ」の開発経緯について、そう話を切り出してくれた中島社長。2020年初頭に新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、人々は外出が制限された。そんなコロナ禍だからこそ、「何か面白いことをして地元を盛り上げたい」と考え始めたのが、中島社長をはじめとした地元さいたまの“地縁者”だった。