それで、2人で残りのテキーラをバーっと飲んでいって、飲みほしたところでお客のほうを見ると、向こうもこっちを見てきてニヤって笑いながら“よし、兄弟分になったなお前”って。よくわからないけど、最終的にハッピーエンドになって、それ以来、その方は気に入ってずっとお店に来てくれるようになりました(笑)。
でも、私が下手に出ないから、さらにブチ切れて来なくなったお客さんもいっぱいいます。だから、時には私が大人になって一歩引かなきゃダメなんだろうなってよく思います。
「私は18歳で家を出ちゃったんで、みんなが集まる場所がずっとほしかったんです」
――なるほど……。ただ、小澤さんの立場であれば、無理にお店に立つ必要もないのでは?
小澤 一応、共同経営者なんですが、私はやっぱり接客の仕事が好きなんです。
私は、18歳で家を出ちゃったんで、みんなが集まる場所がずっとほしかったんですよ。お客さんのオアシスでもあり、自分のオアシスでもある、そんな場所がすごい居心地がいいんです。
自分がお店に立っていれば、自分に会いに来てくれる人がこんなにいるんだって思うと、もっとがんばろうって思えるんですよね。本当に、お客さんの笑顔が自分のエネルギーなんです。
――それでは、今後もお店に立ち続けるというのが目標ですか?
小澤 そうですね。芸能と違って、飲食は長い間できるじゃないですか。だから、いろんな国にいって、いろんな修行をして、いろんな場所で“小澤ちゃん”“マリアちゃん”って呼ばれるようになりたいですし、それが極力長く続くようにがんばっていきたいです。
写真=文藝春秋/佐藤亘
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