昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

特集観る将棋、読む将棋

2022/05/21

遠山 難しくって控室でも深浦九段と悩んでいたんですよね。でも、投票してくださった方の熱量から決めましょうか。

深浦 自分が今回注目したのは、竜王戦第4局に対するみなさんのコメントの内容でした。プロが見たらすごい終盤だってわかるんですが、そのすごさがファンの方にもしっかり届いているんだなと。正直、この対局がこれほど投票されると思っていなかったので驚きでしたね。

遠山 やはりこの対局がいいのかなと思いますね。

――では名局賞は、竜王戦第4局、豊島将之竜王対藤井聡太三冠に決定しましょう。

最優秀棋士賞 いまだタイトル戦で負けなしというのは、想像を絶しますね

――つづいて最優秀棋士賞です。アンケートの結果を集計すると、2位が同数でこのような結果になりました。

1位 藤井聡太五冠
2位 豊島将之九段
2位 渡辺明名人

――まあ、1位はこうなりますよね(笑)。

深浦 そうですねぇ(笑)。

――では、1位の藤井聡太五冠にいただいたコメントをいくつかご紹介します。まずこちら。

 将棋界の歴史を次々と塗り替え、その才能と実力もさる事ながら、人間性も素晴らしく、国民的人気と知名度の高さ、師匠とのほっこりとするエピソードの数々まで、もう藤井聡太竜王以外いないです。特に王将戦での笑顔の勝者のコスプレが印象深いです。(60歳/女性)

――もうひとつご紹介します。

 いろいろな最年少記録を塗り替えるという点で、マスコミ等に取り上げられることが多いですが、ご本人はそういう点に余り頓着せず、ただひたすらご自分が強くなることのみに集中していることに、10代という若さというより一人の人間として、尊敬しています。(61歳/女性)

――一昨年度は二冠だったのが五冠になった藤井聡太さんですが、その強さについてはどのようにお感じですか?

深浦 まず、いまだタイトル戦で負けなしというのは、想像を絶しますね。

1年前は「二冠」だったが、一気に「五冠」まで登りつめた ©文藝春秋

遠山 藤井さんとやるときは、みんな最高の研究をぶつけていくわけですよね。そのなかでこの結果ということにさらに驚きますよね。

深浦 あの渡辺さんが対局中にこうやって首を振るんですよね。自信なさそうにしているので、その相手がいかにすごい棋士かってのがわかりますよね。

――2位は豊島将之九段です。コメントご紹介します。

 藤井聡太現竜王との19番勝負を忘れない。結果的に叡王と竜王を失冠し無冠となり、スコア的には差がついたが、内容的にはほぼ互角の見応えある番勝負は長く語り継がれるのにふさわしい。竜王失冠直後のJT杯決勝で藤井聡太竜王を破り意地を見せたのはさすが。今年1月に収録されたドラフト会議で深浦康市九段を指名し「(森内先生指名の時に)藤井さんにくじで負けてしまったので、藤井さんキラーの方を取ってなんとか将棋の対局になった時に一発入れられたらと思いました」と真顔でジョークを飛ばし、笑いのツボを直撃された藤井竜王が爆笑したシーンは観る将的名場面。(48歳/女性)

ABEMAトーナメントのドラフト会議では深浦康一九段を指名した豊島将之九段(写真提供:日本将棋連盟)

日光東照宮で「早速ご利益あったよー」

――このコメントにもありますが、深浦先生は、今年度のABEMAトーナメントで豊島さんとチームメイトになられました。

深浦 今年の初め、自分は日光東照宮で家族旅行をしていまして。一年がんばりますという気持ちで参拝していたのですが、そのときに豊島さんからメールがきまして。

z