楽天モバイルが「値上げ」を発表した。
これまで1GB以下はゼロ円という料金設定であったため、CMでも「ゼロ円から使える」を大々的にアピールしていた。しかし、7月からは「3GB以下は1078円」という料金設定となり、ゼロ円での回線維持ができなくなったのだ。
SNS上では「だまされた」「聞いていない」「解約する」といった声が相次いでいる。
早くも、楽天モバイルのユーザーの中には、楽天モバイルを解約し、ゼロ円で回線を維持できるKDDI「povo 2.0」などに契約を切り替える人も出始めてきた。
楽天モバイルは2020年4月から携帯電話事業の本格展開を開始している。それまでNTTドコモに回線を借りて格安スマホを提供していたが、自前で全国にネットワーク網を整備し、いまでは580万回線を突破するまでになった。顧客満足度もナンバーワンを得るなど、着実に既存3社を脅かす存在になろうとしていた。
ユーザーも増え、顧客満足度も上がり、ようやく基盤が固まりつつあったのにも関わらず、なぜ、楽天モバイルはここに来て「値上げ」という改悪に走るのか。
「ぶっちゃけ、ゼロ円で使い続けられても困る」の背景には止まらない「赤字」が…
三木谷会長は決算会見で「ぶっちゃけ、ゼロ円で使い続けられても困る」と本音を吐露していた。ゼロ円で使い続ける、自社の利益にならないユーザーは切り捨て、ロイヤルカスタマーだけに楽天のポイントを付与して長くたくさん使ってもらえればいいというわけだ。
実は楽天モバイルは参入以降「赤字」が止まらず、楽天グループ全体の足を引っ張っている。5月13日に発表した2022年1~3月期の連結決算は最終損益が914億円の赤字だった。ネットコマースや金融事業は好調なものの、携帯電話事業の営業損益が1350億円の赤字となっており、楽天グループにとって、携帯電話事業が「お荷物」になっているのだ。