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 住みたい街ランキングで大躍進も、こういった駅前風景を見ればごく当然のことに思えてくる。つまりは流山おおたかの森、“見つかった”のだ。駅の周囲にはまだまだ開発予定の区画もあるから、ますますマンションなどが増えていき、賑やかさを増していくことになるのだろう。おおたかの森というよりは、まさしくマンションの森。2000年代以降に新しく開かれた、最新型のニュータウンといっていい。

 

「ここ数年の人口増加率は、全国の市の中でトップ」つくばエクスプレス開業で一番変わった街

 2005年につくばエクスプレスが開業して、いちばん変わった街は流山おおたかの森駅であろう。つくばエクスプレス開業前の2004年には15万人ほどだった流山市の人口も、いまや20万人を超えるまでになった。

 ここ数年の人口増加率は、全国の市の中でトップを守る圧勝独走黄金時代。いよいよ人口が減ってきて困り果てている自治体ばかりになっている今のご時世、まれに見る大躍進である。

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 人口の増加はもちろんつくばエクスプレスさまさま。ふたつ隣で武蔵野線との乗り換え駅である南流山駅とともに競い合うように人口を増やし、お客を増やしてきた。

 千葉県流山市という、なんとなく耳慣れない地名を聞くと東京から遠くて通勤も大変なのではとうがった見方をしてしまうが、実際には20分ちょっとなのだから多摩地域のベッドタウンよりもよほど便利だ。それでいて、最近開発が手がけられたばかりの新しい街だから住みやすさも文句なし。古参住民との付き合いがどうのこうのというややこしい問題も抱えてない。

 

 ……と、いいことずくめの流山おおたかの森なのだが、住民たちは大きな悩みを抱えているという。それは、“小学校が足りない”ということ。いま流山おおたかの森周辺には3つの小学校がある。そのうちひとつは去年の春に開校したばかり。

 それでも増える人口に追いつかず、2024年には新たにもう1校開校する予定だという。全国的には合併やら廃校やらといったネガティブな話題が目立つ中で、まさに流山おおたかの森は奇跡の街なのである。

いまも駅にオオタカが…

 そんなわけで、結局べた褒めになってしまった流山おおたかの森。しかし、忘れてはいけないことがある。近藤勇との関係と、おおたかの森という駅名のナゾである。

 流山おおたかの森駅は、流山という市名を名乗りながらも実は古くからの流山の中心市街地とは離れた場所にある。江戸川と利根川に挟まれた一帯に広がる流山の街は、江戸時代から水運で栄えた河岸町だった。さらに白みりんの産地としても知られていて、江戸時代の終わり頃にはたいそうな賑わいを見せていたという。

 その中心は江戸川沿い、鉄道でいえばローカル私鉄の流鉄流山線の沿線だ。