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穴をつぶさないように地面と平行に上から3cmほど掘ってみると、穴の輪郭がはっきりと現れる。この穴こそマテガイの住処だ。
ここに少量の塩を振りかけると……マテガイが現れた。
あとは無防備なマテガイを指でつまんで抜くだけ。塩分濃度の変化に敏感なマテガイの習性を利用した面白い漁法である。一度採れたポイント周りの砂を広く削り取っていくと、帯状に並ぶ無数の穴が現れる。マテガイは密集していることが多いので、鉱脈を見つけたら徹底的に探る。
マテガイは10cmほどで成貝となるので、小さな個体はリリースすることに。リリース方法だが、海水が浸った地面に置いておくだけで足を器用に使って潜っていく。
同じサイズで集合していることが多い
マテガイのサイズは穴の大きさに比例するので、砂を削り取った時に穴が大きければ、そこだけ塩を入れてサイズの選別をするのも手だ。
またスコップひとかきで大型の穴が数個見つかれば、大金脈の可能性が高い。
今回も大きなマテガイばかり採れる大金脈を見つけることができた。自分でも正気を失うほど夢中でマテガイを抜き続けた。大きなマテガイは引き抜く際、足を広げて抵抗するので無理に抜くと可食部が切れてしまう。このマテガイから受ける抵抗が、アサリ採りでは得られない独特の駆け引きでもある。
なだめるようにゆっくり引っ張れば必ず抜けるので、慌てずやり取りしよう。