近年ますます市場が拡大している「男性美容」。とはいえ、ちまたに溢れる男性美容のノウハウの中には、美容初心者にとってはハードルが高すぎて継続できないものが少なくありません。
しかし、いまや美容は男性にとっても見過ごせない時代になっているのも事実。
恵比寿形成外科・美容クリニックでメンズ美容を展開している西嶌暁生氏は、著書『だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ~』(光文社)で資生堂による意識調査を例に出して、「“美容は女性のもの”という固定観念は、もはや時代遅れ」と語っています。
また同書では、結婚相談所「とら婚」事業室の西方良さんが、その実体験から「男は年齢を重ねるほど魅力が増す」「外見を気にするのはダサい」「“ありのまま”のナチュラルな自分を評価してほしい」という“男の常識”について、「すべて根拠のない“謎の自信”」と断じているのです。
そして2人に共通するのは、「男性は35歳頃から急に見た目に差が生まれはじめる」という主張。生涯を通して“妻に嫌われない”夫になるにはどうすれば良いのか? 同書から男性が知っておくべき“美容のキホン”を抜粋してご紹介します。(全3回の1回目/#2、#3を読む)
※抜粋に際し、一部本文を編集して掲載しています。
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男の洗顔は潔く、1日1回
これまでにも毎日やってきている習慣のなかで、真っ先に見直したいのが「洗顔」です。
ひと口に洗顔といっても、国や時代によってやり方はさまざま。たとえば、中国では古くからニキビができにくいとして、ほうれん草のゆで汁が洗顔に使われたこともあるようです。お湯に溶け出した「サポニン」という成分が、余分な皮脂などの油分を洗い流してくれるからだと考えられています。
日本古来の洗顔料といえば「ウグイスの糞」でしょうか。もとは衣類のシミ抜きに利用されていたもので、糞に含まれる酵素の働きで肌が白くなる、きめ細かくなる、と顔にも使われるようになりました。現在でも洗顔料として市販されています。
顔を洗う風習ははるか昔から続いているだけに、洗い方も人の数だけあるといっていいほどですが、なかにはかえって、肌にマイナスを与えている残念なケースも見られます。
よくやりがちなのが、大人ニキビや皮脂を気にして1日に何度も洗顔すること。
美肌菌は洗顔のたびに洗い流され、約12時間かけて元の状態に戻ります。しかし1日に複数回洗う人は、12時間以内に再び洗顔をしている可能性が高いでしょうから、洗い流された美肌菌は完全に戻らないまま。つまり、洗顔すればするほど美肌菌は減ってしまうのです。