「美容男子」「化粧男子」と呼ばれる、美容に意識の高い男性が注目されるようになった昨今ですが、まだまだ一般的には無関心・無頓着な男性のほうが多数派でしょう。

 しかし、『だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ~』(光文社)を上梓した美容医療を専門とする西嶌暁生医師はこう警鐘を鳴らします。

「若いころから美容にまったくの無関心できた結果が、35歳を過ぎて40代、50代になるころに外見に表れてしまうのです。その容色の衰えを間近で目にする妻が、ネガティブな反応を示すのも無理はありません」

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 一方で「何もしない男性が多いからこそ、ほんの少し意識するだけで周囲と大きく差をつけることも可能」とのこと。紫外線が降り注ぐこれからの季節の日焼け対策に加え、長引くコロナ禍でマスクを着用し続けてきた今、気をつけたいポイントを同書から抜粋し、解説します。(全3回の3回目/#1#2を読む)

※抜粋に際し、一部本文を編集して掲載しています。

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日焼けに惹かれる理由

 今日も世界各地のビーチサイドには、日焼けをして楽しむ人たちが大勢あふれていることでしょう。

 人はなぜ日焼けに走るのか? 興味深い研究結果があります。紫外線を繰り返し浴びたマウスの体内からは「βエンドルフィン」という、薬物依存症とも関係する物質が分泌されたのです。

※写真はイメージです ©iStock.com

 これがヒトにも当てはまるとするなら──多くの人が皮膚がんなどのリスクを負ってでも日焼けに惹かれる理由のひとつとして「日光には中毒性がある」というのは、説得力のある仮説に思われます。

 日本でもかつては、子供たちが日焼け具合を競う大会が開催されていました。日焼けは健康美を連想させる、ポジティブなイメージをもっていたのです。

紫外線量が多くなる時間帯は、午前10時から午後2時まで

 しかし、こんがりと日に焼けた肌が魅力のひとつに数えられていた時代のことは、もう忘れてください。肌にダメージを与え、老化を進行させる要因のひとつこそが紫外線。1998年には母子手帳からも、それまであった「日光浴」のチェック項目がリストラされました。今や老若男女を問わず紫外線を避けることこそが、健康的な肌づくりのためにはマストなのです。

 紫外線の量は3月ごろから急激に増え、5~9月にかけてピークを迎えますが、それ以外の時期も含めて1年じゅう注意が必要です。

 女性は紫外線対策にかなり敏感ですが、男性で同じように意識している人は、あまりいないのではないでしょうか。しかし、紫外線は男女を区別してくれません。今日からさっそく対策とケアを始めるべきです。

 1日のうち紫外線量が多くなる時間帯は、午前10時から午後2時までで、ピークはお昼ごろに迎えます。

 できればこの時間帯の外出は避けたいところですが、そうもいっていられませんよね。