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“薄毛家系”の医師が実践した《毛髪をキープできている3つの対策》とは 「髪に効く栄養素」「頭皮に優しいシャンプー」「ダメ押しの内服薬」

『だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ~』より #3

2022/06/01
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遺伝やストレス以外にも原因が

 また、遺伝、それも母方からの遺伝が深く関係するといわれています。母方の祖父や曽祖父などの男性に薄毛の人が多ければ、自分もその可能性は高くなる──といって、父方の遺伝が無関係というわけではなく、父方が薄毛家系の場合も、そうでない人に比べれば薄毛のリスクは高くなります。

 脱毛因子や遺伝以外のリスク要因としては、ストレスや血行不良、頭皮の汚れなどが挙げられます。ストレスがたまると自律神経が乱れて血行が悪くなりますが、毛根は頭皮の血液から栄養を補給しているため、血行不良はそのまま脱毛の原因になります。また、毛穴にたまったフケや皮脂が紫外線などの影響で酸化しても、毛根が炎症を起こし、毛母細胞が死んでしまうことで薄毛につながります。

 さらには冷え性や貧血、睡眠不足など、AGAにはじつにさまざまな原因があると考えられているのです。

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“薄毛家系”を乗り切る3つの対策

 私の父を例に挙げると、もともと薄毛の男性の多い家系出身であり、35歳の単身赴任をきっかけに薄毛が進行し、40歳のころにはスキンヘッドにしていました。脳神経外科医という緊張度の高い職務にあり、不規則な長時間勤務でつねに睡眠不足、加えて飲酒・喫煙の習慣もあり。家での食事こそ、母のつくるバランスのとれた料理を食べていましたが、それ以外、髪にとっては最悪の条件がそろっていたわけです。

30歳、37歳時点での西嶌氏の父 ©光文社

 子供心に父のスキンヘッド姿は男らしくてかっこいいと感じていたものの、成長してからは自分も毛髪量が決して多いとはいえず、35歳ごろからはAGA対策や治療を行うようになりました。

 ここでは私自身が実践し、患者さんにも指導している3つの対策をご紹介しましょう。

(1)    必要な栄養素をしっかり摂る

 AGA対策として重要なことのひとつに「過度な食事制限ダイエットをしない」ことが挙げられます。なぜなら、それが薄毛を進行させてしまう恐れがあるから。