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“薄毛家系”の医師が実践した《毛髪をキープできている3つの対策》とは 「髪に効く栄養素」「頭皮に優しいシャンプー」「ダメ押しの内服薬」

『だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ~』より #3

2022/06/01
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意識して摂るべき2つの栄養素とは?

 私自身、厳しい食事制限のある某パーソナルダイエットジムに通っていたときは、毛髪が薄くなる不安を身をもって痛感しました。これは、食事制限によって「亜鉛」や「タンパク質」などの重要な栄養素が不足してしまったためです。

 亜鉛は細胞分裂に深く関わる成分で、新陳代謝が活発=細胞分裂が激しい器官ほど、不足したときの影響は大きくなります。そのため髪の毛や爪は、亜鉛不足の悪影響をもろに受けてしまうのです。また、髪はおもにタンパク質からできているので、タンパク質が足りなければ丈夫な髪は生えてきませんし、どんどん細く、パサついた毛になってしまいます。

 ですから亜鉛とタンパク質のふたつは、ダイエット中の人や薄毛が気になる人は、特に意識して摂取するべき栄養素なのです。

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 ただでさえ男性はラーメンや丼物など炭水化物を好む人が多く、糖質は過剰に、相対的にタンパク質やビタミンは不足気味になりがち。栄養バランスのよい食生活を心がけましょう。

 お酒の飲みすぎにも要注意。亜鉛は肝臓でのアルコール分解に使われるので、その役割にまわしすぎると、薄毛を進行させてしまいます。

 また、喫煙は髪にとっても有害です。タバコを吸うことで末端の毛細血管が細く締まってしまうため、毛根のすみずみにまで十分に栄養を行きわたらせることができなくなるのです。

シャンプーにも気を使いつつ、強くおすすめしたいのは……

(2)    頭皮へのダメージを最小限に抑える

 頭と顔の皮膚はつながっています。合成界面活性剤などの顔によくないものは当然、頭皮にとっても悪影響となります。シャンプー剤はさまざまな商品であふれていますが、頭皮へのダメージが極力少なくてすむものを使いたいですね。

 理想は純せっけんでの洗浄ですが、髪がゴワゴワになってしまうため実用には厳しいでしょう。成分表示を確認し、できるだけシンプルな成分で構成されているものを選んでください。

 また、シャンプー剤の使いすぎは頭皮への刺激となる可能性も。シャンプー剤をいきなり頭皮につけるのではなく、まずは頭皮をぬるま湯で十分にぬらし、落とせる汚れは落としておきます。そのあとでシャンプー剤を使うと、少量でも泡立ちが格段によくなり、洗浄力も飛躍的にアップしますよ。

※写真はイメージです ©iStock.com

(3)    薄毛家系はAGA治療を受ける

(1)(2)を実践したうえで、薄毛家系の人にはクリニックでのAGA治療を強くおすすめします。

 AGAには絶対の治療法はまだないと述べましたが、AGA治療薬として科学的に効果が認められているものは複数あります。それらの助けを借りることで、効率的に脱毛の進行を遅らせたり、新しく発毛させたりできる可能性があるからです。