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自宅にお邪魔して手料理をいただく

 ただし、当初はモスク側が、溝さらいなど自治会活動への協力も申し出ていたようだが、直後にコロナ禍が起きてしまい宙に浮いた。感染症の流行という不可抗力の理由で、地域との接点が減ってしまったという問題はあるようだ。

「地元のお祭りなんかも、私たち、出られるなら出たいです。声かけてほしいです」

 モスクの役員の1人であるスラメット・スプリヤントさんの自宅にお邪魔して、奥さんの手料理を食べつつ話を聞いたところ、そんな話を聞いた。ちなみに彼は20年ほど前に技能実習生として来日。それから、ほぼずっと滋賀県で働き続けており、いまは水道設備会社の正社員だ。日々のモットーは「あいさつをちゃんとする」である。

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滋賀県野洲市、三上山(近江富士)のふもとで暮らしているスラメットさん夫妻。2人とも元技能実習生。2022年5月22日。撮影:Soichiro Koriyama

「あ、それなら12月の“ゑびす講”(能登川駅前商店街の催し)で屋台を出すのはどうですか? ナシゴレンとかジャワのカレーなら流行りそうです」

「いいですか? それ。やりたいです」

 この記事を読んだ地元の人で、スラメットさんたちのナシゴレン屋台を手伝ってみたい人は、ぜひ能登川アンヌルモスクに連絡してみてほしい。うちの地元の「未知との遭遇」は、まだはじまったばかりなのである。