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 また高見さんはナチュラルフードコーディネーターの資格も持っており、ヴィーガンの方のために、昆布と乾燥しいたけ(どんこ)だけを使った「精進つゆ」を2人で考案した。

「Sobaful」は高田馬場で開業したのだが、その頃は天ぷらがメニューにあったため、どうしても普通のそば屋のイメージから抜け出せなかったそうだ。2021年11月に護国寺に移転後は天ぷらの販売は終了し、より健康志向に邁進しているところである。

「洋風サラダそば」は豆腐のカッテージチーズ風がナイス

 高見さんにこの日の人気メニューを聞いてみた。初めての方には店を代表する「洋風サラダそば」、「パワーそば」などをお勧めしているとのこと。そこで「洋風サラダそば」を注文することにした。

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「洋風サラダそば」が5分もしないうちに登場した。まず、そばつゆを入れないで、そのまま食べてみた。豆腐のカッテージチーズ風は、木綿豆腐を水切りしてレモン汁と塩をパラっとかけて落ち着かせたもので、絶品のうまさである。海苔の千切り、サラダ水菜、ルッコラ、サラダ春菊などが入った有機リーフ、有機ミニトマト、さらに落花生の味と食感、EVオリーブオイルがすべてをまとめている。

 そばつゆは鰹節、宗田鰹、昆布で出汁をとり返しを併せている。ひと口飲んでみると十分冷たく味のバランスがよい。十割そばは細くよく冷されていて喉ゴシも申し分ない。有機リーフは他にわさび菜、赤茎ほうれん草などを入れることもあるという。

「洋風サラダそば」
豆腐のカッテージチーズ風がいい仕事をしている

栄養豊富なそば湯も欠かせない

 自分はどちらかというと、夏になると「冷やしぶっかけそば」などの大衆系そばを中心に食べているわけだが、この「洋風サラダそば」は十分に洗練されている。そばはオリーブオイルなどの油との相性がいいのだが、改めて食べてみると十分アリだと納得した。気が付けばあっという間になくなっていた。

このそば湯が抜群にうまい

 高見さんがそば湯を持ってきてくれた。綺麗なそば湯を猪口に入れて飲む。そばつゆを入れてさらに飲む。流儀は老舗のそば屋だがこれもまた〆の儀式である。