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孫に向かって「一重でかわいそう」衝撃の発言

グラハム子 お正月とお盆の年に2回だけ会っています。親戚がたくさん集まる場に行くので、そのときに挨拶をするぐらいです。

 これは漫画でも描いていますが、私が出産した直後に何の連絡もなしに我が家に押しかけて来たことがあって。昔、私の顔を見て散々「かわいそう」と言ったように、生まれたばかりの孫に向かって「一重まぶたでかわいそう。整形費用はおばあちゃんが出してあげるからね」と言ったんです。

 そのときに「母からこの子を守れるのは私しかいない」と思ったので、その場で母に「もう来ないでくれ」と伝えて追い返しました。それ以来、距離を置いても何も言われなくなりましたね。

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©深野未季/文藝春秋

「母を自分で介護するのはどうしても抵抗がある」

――お母さまは、娘とのエピソードが漫画になっていることを知っているのでしょうか。

グラハム子 知らないはずです。母はまだガラケーを使っているくらいインターネットに疎いんですよ。だから見つかる心配も少ないのかなと。

 それに正直、見つかっても別にいいと思っています。「勝手にネタにしてごめんね」とは思いますけど、「怒られるのが怖い」とは思わないですね。

――むしろ怒っているのは、グラハム子さんのほう。

グラハム子 でも、私が何に怒っていたのか母はよくわかっていないと思います。「大人になっても娘の反抗期が続いている」くらいにしか捉えていないかも。それに母も年なので、昔のように私を言いくるめるパワーはないでしょうね。

©深野未季/文藝春秋

 もし今後、母と私の間に課題があるとすれば、“介護問題”かな。私の母は70歳を過ぎているので、近いうちに介護が必要になると思うんです。そうなったときに、老人ホームに入居してもらったり、病院に行ってもらったりするお金はいくらでも援助するつもり。でも、私自身が母のお世話をするのにはどうしても抵抗があります。

――いわゆる“毒親”の介護とどう向き合うかは、これから社会課題のひとつになるかもしれません。

グラハム子 幼少期の体験から、私のように「親と距離を置きたい」という人もいると思います。もしそういう方々が親の介護をすることになったとき、どんな心情で向き合えばいいのか……。現状では法律上、実親が介護状態になったときは何らかの形でサポートする義務が子どもにはあるそうなので、悩ましい問題です。